船舶の種類

 

皆さんは船と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?

私は、仕事の話になった際に船に乗っていると言うと

 

「どんな魚取ってるの?」

 

と、高確率で聞かれます。

これは私だけでなく、先輩や友達の船員も口を揃えて言っています。

しかし、それは仕方ないことかもしれませんね。

テレビやインターネットで詳しく紹介されることは少ないですから…

船の業界全体で世間への周知が下手なので、皆さんに知ってもらう機会がないんですよね(^_^;)

そんな訳で記念すべき1つ目の記事は船の種類を紹介して、少しでも皆さんに興味を持ってもらえたらなぁと思いながら書いています。

では、前置きもそこそこに早速本題に入りましょう!!

 

 

まず、船の種類には

  1. 人や物を運ぶ船
  2. 他船をサポートする船
  3. 魚を獲る船
  4. 官公庁の船
と、この4つに大別されます。
今回は「人や物を運ぶ船」について話していきましょう。
 
 
 
1.人や物を運ぶ船

人や物を運ぶ船と聞いて、皆さんが想像しやすいのはフェリーではないでしょうか?

現に旅行などで利用した人も少なくはないでしょう。
しかし船にはもっと多くの種類があり、船の種類によって運べる物もぜんぜん違います。
それを1つずつ簡単に解説していきましょう!
 
1.一般貨物船(カーゴ船)

一般貨物船(以降カーゴ船)は、色々な種類の貨物を運びます。

それは穀物から鉄製品(鉄骨等)、スクラップ、鉱石etc…

珍しいものでいえば新幹線の車両もカーゴ船で運ばれていたりします。

つまり、何でも運べて貨物を選ばない船ですね

航行するカーゴ船
 
 
2.砂利運搬船(ガット船)
砂利運搬船(以降ガット船)はカーゴ船と見た目は似ていますが、運ぶ物は石材や砂利などの建設石材です。
そして一番の特徴は自分で荷役ができること!
船首に起重機(通称ガットクレーン)と呼ばれるものを装備しており、陸上に荷役装置がないと荷物を揚げることが出来ないカーゴ船と違い、自船だけで揚荷役を完結する事ができます。
航行するガット船
 
 
3.セメント専用船(セメント船)
セメント専用船(以降セメント船)は、セメント工場から全国の港へセメントを輸送するための専用船です。
セメント船には、圧縮空気でセメントを押し出し陸揚げするための自動荷役装置が装備されていてます。
航行するセメント船
 
 
4.コンテナ船
コンテナ船は、各地にあるコンテナターミナルと呼ばれる場所でコンテナを積載し、別の港のコンテナターミナルへの輸送をおこなっています。
コンテナの積載は陸上にあるクレーン 通称キリンによって行われます。
コンテナは非常に便利で、中身の貨物を積み替えることなく運搬することが出来ます。
コンテナの中身は様々で、家電製品から野菜、冷凍物などが運べるため国内輸送だけでなく海外との貿易においても重要な役割を担っています。
コンテナ船とキリン
 
 
5.ロールオンロールオフ船(RORO船)
ロールオンロールオフ船(以降RORO船)は、トレイラーの荷台部分でシャーシと呼ばれるものやトラックや車、重機などを積載し各地の港へと運んでいます。
見た目はフェリーにそっくりですが、お客さんは乗せずに荷物だけを運びます。
3隻並んで接岸しているRORO船
 
 
6.旅客船
旅客船とはフェリーから豪華客船まで、お客さんを乗せて走る船のことを指します。
その船内には売店からレストラン、大浴場と快適に旅ができる設備が整えられています。
新幹線や飛行機に比べれば時間はかかりますが、車での長距離移動や寝て起きたら目的地に着いているなど非常に魅力的な面もあります。
接岸中の大型フェリー
 
 
7.タンカー船
タンカー船は液体貨物を運ぶための専用船です。その貨物の種類は身近なガソリンや軽油、灯油にプロパンガスなどから硫酸やアンモニア、苛性ソーダなどの危険物まで様々です。
タンカー船の種類紹介は機会があれば専用でやろうと思います。
錨泊中のタンカー船
 
 
 
と、以上のように船には漁船以外にも沢山の種類があることを知ってもらえたと思います。
これからなにかの機会に海に行くことがあれば、ぜひ浮かんでいる船に注目してみてください。
意外と面白いかもしれませんよ?