引用
子供のころから特定の競技のみを練習し、
小学生の時点で小手先の技術が完成してしまった日本人と、
いろいろなスポーツに親しみ運動の基礎であるアジリティと
コーディネョン
を積極的に練習していたアメリカのアスリート達と間には、
埋めることのできない
身体能力の差ができてしまっているというのだ。
これは小学生期のスポーツ指導者に是非理解してほしい事実だ。
小学生のうちから特定のスポーツをみっちり仕込んでいけば、
それなりに技術が向上し勝てるチームが作れることは間違いない。
しかし小手先の技術だけで競技を行っている小学生が、
その後の中学、高校、成人へと成長するにつれて、
どのぐらい伸びるかは底が知れている。
幼稚園児が1つのことにとんでもなく執着し、
車の車種を全部覚えてしまったり、
電化製品の品番を全部覚えてしまったり、
高校数学を覚えてしまったり・・・そんな例は数多くあるが、
その子達が「理解しているか」といえばそうではなく
「覚えている」だけで、
残念ながら成長した後、
そのままその分野の専門家になることはないだろう。
身体の発達も同じことで、特定の競技の動作を
「覚えさせる」のではなく、
もっと広い範囲の運動そのものを身体で「理解させる」
ほうが重要なのだ。小学生期に「なに、サッカーが苦手?
お前は野球の部員なんだからサッカーは苦手でもいい」
という考え方は、その子の将来において害になる。
「なに、野球はできるくせにサッカーができないって?
小学生のくせにそんなことでどうする?」
くらいの発想が小学生期の指導者に最も必要なことである。