今作品、『CASANOVA』が、花組での出演最後となる、ちな様(鳳月杏)
その作品で、男役ではなく、女役
発表を知ったときは、少なからずエッ!と思った方も多いのでは?
ミーマイのジャッキーなど、とても良かったので、
私も、絶対一定のレベルに仕上げてくれると思いつつも、
花男のちな様見納めできないのか…と、少し残念に思ったのも事実です。
でも、実際に劇場へ行ってみると、
ちな様演じるコンデュルメル夫人、とても魅せられました。
まず、その超絶スタイル。
男役の補正無しでドレスを纏ったその姿。
私達と同じ日本人とは思えない。
そして、そのドレスがまた、とてもシックで、生地もシルエットもとても美しくて…
そう、今回のお衣装はカサノヴァを筆頭に、全て素敵。
有村淳さんのお衣装のどれもに魅せられ、
改めてそのセンスを好きだと思いました。
※べアトリーチェの部屋着だけはちょっと?でしたが… そのチョイスをするのがベアトリーチェなのかもと納得
プログラムのデザイン画もカッコいいけど、
それを現実に生み出す衣装スタッフや、
見事に着こなすタカラジェンヌも、本当にスゴイ!
そう、その豪華なお衣装に負けない存在感が、
ちな様コンデュルメル夫人も本当に素晴らしかったと思います。
で、一度目の観劇時は、もう、妖しい美しさにクラクラするだけで過ぎてしまったのだけど、
二回目の観劇では、
彼女の不思議な行動の理由をいろいろ考えさせられました。
そして、今回私の耳に残ったのが…、
登場の初めに、夫のコンデュルメル光ちゃんに言う台詞の中のこの一言。
『 私が愛しているのはあなただけ。』
ジャコモが欲しいと、光ちゃんにねだるのだけど、
その中で、サラッというこの言葉が
実は、このコンデュルメル夫人の根幹にあるんだと思いました。
貴族として、夫が不貞を働いても、当然と受け止め、
自分もカサノヴァに一度は身を任せたのかもしれない。
でも、それもひと時の恋。
愛を誓った夫。
愛を分けてくれたカサノヴァ。
そのどちらもが自分を通り過ぎていくだけで、変わらぬ愛を求めても
決して手にすることが出来ない…
そう、異端の錬金術を駆使する、超絶スタイルの美形お色気奥様が、
実はこんなに一途に愛を求めていたとは!
そう気付いたうえで、姿のみならず、声もゴージャスなちな様が歌うと、
コンデュルメル夫人の心の奥深くに沈めたせつなさが、
さらにヒシヒシと胸に迫って来ました。
アチアさんのメロディーがまた素晴らしくて
これも、本当に頭の中でハードリピートしてしまう一曲。
そして、今回、
回り舞台や大せりなどの舞台機構を、余すことなく使った演出もお見事で、
生田先生、流石、
小池先生の愛弟子だけあるな…
と感心しきり。
一本ものなので、予算的にもお金を掛けれるのか、
セットも、アーチ型の柱が迫力のサンマルコ寺院、
ベネチアの街のミニチュアが動く仕掛けだったり、
馬車や、ゴンドラのシーンだったり…
見応えたっぷり。
また、今回、
カサノヴァを取り巻く深紅の女たちのダンスや、侍女たち、猫ちゃん達など、
様々なシーンで、多くの娘役の出番や、見せ場があったことも、
生田先生ブラボーと言いたい。
衣装、
音楽、
セット、
そして、明日海さんを筆頭に美形揃いの花組生…
世界にも類まれなる豪華な舞台、
まさしくタカラヅカの醍醐味を
思う存分楽しめる作品に仕上がっていたと思います。
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