愛月ひかる。
カレンダー事情から別格スター扱い…
と、色々囁かれていて、何とも言えない気持ちになる。
発足から20年。
今まで、宙組から生え抜きのトップスターはまだ出ていない。
大空祐飛、凰稀かなめ、朝夏まなと、そして現在の真風涼帆も含め、
宙組でトップになって嬉しかったスターさんが何代か続き、
それを否定する気は全く無いが、
シニカルな見方をすれは、
宙組は、
まるで他組のスター事情の調整枠の様に、扱われてきた…
と言えなくもない。
そろそろ、宙組育ちのスターがトップになってもいいのでは?
私は数年前まで、なんの疑いもなく、その宙組初生え抜きトップは、
愛月ひかるがなるのだろう・・・
と、思っていた。
だが、95期の桜木みなと(この方も好き)も、メキメキと実力、オーラを増し、
花組からは同期の芹香斗亜が移動してきて、
いつの間にか、愛月ひかるの立ち位置は微妙になってしまった。
①でも書いたが、宙組での芹香斗亜も、とても評価し好きな私だが、
愛ちゃんには、この逆境を逆手に取ってでも
舞台人として大きく成長して欲しいと思っている。
生と死というタイトル。
「THE LAST PARTY」の梅田の公演を観た翌日、突然父を亡くしたことを
以前このブログにも記したが、先日、四十九日を終えた。
移動手段のない母や弟を連れて、
市役所や、病院と老健、お寺に仏壇店や霊園…
と、とにかく目まぐるしい日々で、
父を偲ぶ暇もゆっくりと持つことはできなかった。
父が入院したと老健から連絡があり、間もなく私の携帯にかけてきた医師は、
延命治療を施すかどうか訊いた。
その場ですぐ決断できず、私より早く病院に駆け付けることのできた母に判断をゆだねた。
要介護5の父を7年半介護した母は、延命治療を断った。
最後に別れの言葉を交わすことは誰も出来なかった。
夫の父が延命治療を受けつつ、長く苦しみの床にあったのを辛く看取った経験から、
私はその判断を受け入れつつも、一抹の後ろめたさを禁じ得なかった。
父は一分でも長く生きたかったのではないか?
だが、それは、父に対して、もっとこうしてあげていれば良かったと、自分が後ろめたいだけであって、母の決断を責めるものではない。
「不滅の棘」初演を見たとき、
『残念だけど、人が死ぬ確率は100%だよ』
というアルベルトの言葉に、ちょっとぎょっとした。
当たり前だけど、誰しも死から逃れることはできないと。
対して、今回の再演は、消えない不滅の棘の意味を深く考えさせられた。
姿を消した愛する妻と我が子と共に生きられなかった事、
具体的には、それがこの作品の不滅の棘の意味だと思うが、
もう一つ、
永遠を生きられる体があったとしても、同じように永遠を耐える心を持てるかどうか?
不滅の体に刺さり続けるもの、
それは、決して不滅に耐えられない人間の心そのものだという事。
父も白い骨となった。亡くなったのは年齢からみても至極当たり前のこと。
でも、その父の死を、人間の生と死というものを、心の底で受け入れるために、
この作品を、今このタイミングで
愛ちゃんの熱演で観ることが出来て、良かった。
⑤に分けちゃったせいで、愛と夢を売るタカラヅカに関することを書くブログにしては、
不似合いな個人的な記事に偏ってしまったかもですが、
自分の記録でもあるので、どうか、お許し下さいね。