フリーダ・ムハが100年前から続く裁判で争うプルス男爵家の家族

今日はこの三人について

 

母タチアナ (純矢ちとせ)

息子ハンス (留依蒔世)

娘クリスティーナ (華妃まいあ)

この三人の造形がまた、素晴らしい合格

 

 

きっと財産目当てで歳の離れた男爵と結婚し、早くに未亡人となったであろうタチアナ。

財産は得たものの、一度も心から愛に満たされたことはなかったのでは?

だから、我が子を愛する事もうまくできず、

女ざかりの自分を持て余すように男遊びを繰り返す…

せーこさんタチアナは、初演のみとさん(梨花ますみ)より若く現役感がある。

なので、

“母親がする背徳行為”への嫌悪感は、

なぜかちょっと薄まった。

タチアナも乾いた心を癒す何かを彼女なりに求めていたのかも…

と、感じさせる愚かな母の姿だった。

 

 

 

認められ、愛されたいと、心の奥ではずっと母を求めているにもかかわらず、

その母からは、拒絶され、裏切られ、

自らを痛めつけるように酒に溺れて日々を過ごす息子のハンス。

 

初演の彩吹真央、ゆみこさんもかなりの歌うまで、

ちょっと突けば壊れそうなハンスだった。

 

あーちゃんハンスは、ただうまいのでのはなく、

完全に役として台詞のように歌って、尚且つ上手い!アップアップ

ちょっとハスキーな声も全て酒のせい?と思わせるほど。

母を憎むことでようやく自分を保っているような、

救われないこの青年のその後を、私は実の母の様に心配してしまったあせる

 

 

 

母の行為や、兄の現状に心痛めつつも、全てを受け入れ、

いつかここから愛の世界へ救い出してくれる王子様を夢見ることで、

無意識に心の均衡を保っているクリスティーナ。

 

華妃まいあちゃん、文句なく可愛いピンク薔薇キラキラ

そして、

キラキラ透き通る歌声キラキラ

クリスティーナの全てが、

この声で表現されていると言っても過言ではない美しさベル

恋に恋するような一途さと、

エロールに突然結婚を迫る無邪気なまでの危うさが、よく表現されていた。

 

ただ、好きなジェンヌさんだからこそ、更に上を求めるとするならば、

初演の遠野あすかちゃんには、純粋無垢な彼女の中にも潜む

女性としての業の凄まじさ みたいなものが、もっとあった。

エロールに結婚を迫るとき、

エロールと立ち去る母を見てしまったとき、

このコントロール不能のものが湧きあがり、彼女自身を滅ぼしてしまったような、

ゾワゾワする恐ろしさを感じたのだ。

 

同じように演じて欲しいというのではない。

まいあちゃんの場合、もっと、世間知らずな籠の鳥のような存在に見えた。

エロールは、その彼女の前に現れた王子様キラキラ

結婚という選択肢しか知らない彼女が、母の元から外の世界に飛び立つためには、

どうしても彼が必要だった。

その、唯一の存在、手に入れかけた“”すらも引き裂かれた彼女の慟哭。

そうした解釈も成立したと思う。

どちらにしろ、自ら命を絶つほどの絶望というには、まだ少し足りない気がした。

 

全てにバランスの良いまいあちゃんだが、

こうした大きな役の経験が、彼女をもっと役者として成長させるはず。

本当に何故、まいあちゃんに新公主演が無かったのか

 

 

謎といえばこの人。

謎の老女、カメリア。

次回は、カメリアと、物語の終盤について。

まだまだ続くよ~~

 

 


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