これは特攻で死んでいった天才パイロットの話で、その孫たちが死んだ祖父、
 
宮部のことを調べる、という筋書きです。
 
祖父は臆病者で大空を逃げ回っていた、という話を聞くのですが、
 
命の恩人に出会ううち、どうやらそうでもないらしいということが分かってきました。
 
そして十死に一生もないという特攻の現実が次々に明かされていくという話です。
 
太平洋戦争はいかに無謀な戦争をしたかということ。
 
赤紙で優秀な整備兵が次々、戦場に行って整備の質が落ち、
 
それが劣勢につながった事や、兵士が消耗品のように使われる、
 
その最たるものが特攻で、それがほとんど成功していなかった
 
という事実など。知れば知るほど腹が立ってきました。
 
 
気になった点としては、アメリカでは9.11のことをカミカゼアッタックと
 
呼んでいるが特攻隊は民間人を狙ったものではないのでテロリストとは
 
違うという見方。また、零戦のメカを表現するあまりに戦争の美化に
 
つながっているのではないかと思われる点。
 
本では作戦上の失敗の責任を実名入りで記述している点、
 
(映画では実名はなかった)。
 
 
 
 
この物語のいいところは、戦争の悲惨さを単に表現しているのではなく、
 
若い世代が聞き取りしている事がポイントで、宮部がよく言っていた
 
「生きて帰る」というセリフがここに生かされているんだなとつくづく感じました。
 
戦争映画は悲惨さや「~していたら、~すれば」が多いのですが、
 
戦争の反省が現在の社会にどうつながっているのか、
 
さらに未来にどう活かされているのかという作品が待ち望まれると感じました。
 
 
特攻をテーマにしたのはえらい・・・○○○
 
 
 
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