あなたは【表皮ブドウ球菌】という名前の菌を知っているだろうか?おそらく、ほとんどの人が聞いたことはないだろう。

この菌は私たちの皮膚に棲みつき、汗や皮脂を材料にして弱酸性の保護膜を作り、肌を汚れや雑菌などから守って、スベスベの肌にしてくれているのである。

それを知らない日本人は清潔にしなければとの思いから、毎日お風呂で全身をごしごし洗って、お風呂上りには化粧水や保湿クリームをつける。

とりあえず体をごしごし洗うと、当然肌を守ってくれている保護膜はなくなり、表皮ブドウ球菌も90%がいなくなってしまう。その後に素の肌に戻るのに12時間はかかるのである。

保護膜がなくなればスベスベだった肌も肌触りが悪くなり、化粧水などをつけないと嫌な感じがするようになってしまう。

さらには肌トラブルの原因にもなるのだ。

それにしても現代で普通の生活をしていれば、泥や油で体が汚れることもあまりないし、バランスの良い食事をしていれば体が臭うこともほとんどない。体臭はいろんな原因がある。

毎日お風呂で体をごしごし洗わないと気が済まない人は、なんで自分の体が汚いと思うのだろうか?

空気中のほこりや雑菌が気になるのか?

皮脂や垢が気になるのか?分からない。

だが、空気が汚ければ外を歩く気にもならないし、ましてや皮脂は肌に欠かせない分泌物で、垢は単なる細胞の死骸であり、両方とも汚いものではない。

体はごしごし洗わなくても、湯船に5~10分ほど浸かりお湯(40℃位)で洗い流すだけでいい。

それでほとんどの汚れは十分落ちる。

そして髪の毛もシャンプーを使わなくてもお湯だけで十分だ。これを湯シャンという。

日本人は企業のイメージCMに流されて、「毎日お風呂に入って髪の毛と体をボディーソープやシャンプーで洗わなければいけない」と思い込まされている。

好むと好まざるとに関わらず、私たちの皮膚にはおよそ一兆個の菌が棲みついている。

長くなるので、これ以上のことは書かないが、気になったらインターネットで【皮膚常在菌】【美肌菌】【湯シャン】などのキーワードで検索していただきたい。

ついでに専門家が書いた有用な書籍を2つ紹介しておこう。

それは『やってはいけない肌のケア』と『化粧品を使わず美肌になる』である。

どちらかでも読んでもらえれば、多くの日本人がだまされているという事実に気づくはずだ。