今年の東京マラソンの一般ランナー部門の中止が発表されました。
自分は今年もチャリティーアンバサダーランナーとして出走する予定だったし、これまた発表された事前イベントなどにも参加予定だったので、とても残念です。
自分の趣味と言えるものは、ランニングとサッカー観戦ぐらいしかないし、ランニングがそこまでのものになったのは、東京マラソンに参加してからだったので、1年間の中でこの大会に出走することがとても大きな柱になっていました。きっと同じような気持ちを持っている出走予定者は多いと思いますし、その気持ちは全身で共有します。
実は先々週の金曜日に左足を90度捻ってしまい、靭帯を4本伸ばしてしまったので、医者とも話して3日前から調整をして完走目標で今回は臨もうと思っていました。それはそれでなかなかの自分との挑戦だったし(笑)、何よりも2020年という特別な年に走れないのは出走者として無念です。
実際にこのウィルスの状況下で市民ランナーが走れない、そして大会が最少限度のものになることに非を掲げる人はほぼいないと思いますし、勿論自分も同じです。何よりも10日以上早く告知をした東京マラソン財団の行動は素晴らしかったと思います。
この大会はワールドマラソンメジャース(世界6大マラソン)の1つで、アジア以外も含めて海外からとても多くのランナーが参加します。そういった人たちに最低限の配慮を成したのが今回の早めの告知だったと思うし、それは本当によかったと思うんです。
さらに言えば、これは様々な意見があること前提ですが、エリートランナーのレースが行われるのは、参加者としても頑張ってもらいたいという気持ちがあります。結果的に沿道に人が来るし、それによってウィルスがーーという意見ももっともだと思います。それに、今回の東京五輪の最終選考というレース自体が、五輪やスポーツがどうでもいい人には本当にどうでもいいことだと思うんです。
でも僕はどうでも良くないんですよね。
もうこのレースは、日本のマラソン史上最高のレースになると思うし、それを願っているし、それを観たい。この「大迫、設楽、井上」の三つ巴の最後のひと枠をかけたレースはとにかくやって欲しかったし、やるべきだった。そのことが大会自体を中止にせず、エリートランナーのみで行うことになった唯一の理由だと思います。
逆に言えば、去年、去年の大会もMGCへの予選会だったから重要だったかな、、、、、一昨年までの東京マラソンでこの状況になっていたら、きっと大会自体が中止になっていたのではないでしょうか。
参加費やチャリティー費を返金しないことに対してもメディアは物申しています。
これに関しては正直、出走できなくなった人の大部分は「泣く泣く納得している」、つまり「お金は痛いけど、しょうがないよな」と思っているんじゃないかと思います。
まず、そういう規約が先にあったこともそうですし、東京マラソンのみならず、多くのマラソン大会は返金しないものが多いです。
しかも今回はエリート大会が開かれる。まあ一般ランナー38000人用の様々なことーー足切り7時間分の道路制限や様々な障害などーーが無くなるので、かかるコストは勿論変わるでしょうけど、しかしかなりのコストはかかります。
そもそもエリートランナーと市民ランナーが一緒の大会を走るのは、陸上大会としてのマラソン大会のコストを市民ランナーの参加費でカヴァーすることから始まったのでしょうし、それは市民ランナーとしても納得のものですし、そういう大会で走るということが対価以上のものであると思いながら参加している市民ランナーは多いと思いますし、そういった色々な納得材料があると思います。
そしてチャリティー費。自分はチャリティーアンバサダーランナーなので勿論わかっているのですが、チャリティーランナーとしてそれぞれが支払った10万円は言葉通りのチャリティー、つまり、間違いなく様々な団体に支払われるのです。
例えば、自然環境団体に支払って、杉の花粉が東京に来るのを少なくするように努力してもらったり、病気の子供やその家族が滞在するためにマクドナルドが作ったハウスや、国境なき医師団に寄付したり、日本陸上競技連盟が設けた、多様性を持ったアスリートの育成を手がけるダイヤモンドアスリートプロジェクト(サニブラウン選手や、去年の世界陸上で大活躍をした橋岡選手などが輩出されたプロジェクトです)に投資をしたり、様々な活動にチャリティー費は寄付されています。
東京マラソンはとても影響力があるし、実際に多くのお金を払ってでも出走したいという人が海外を含めて沢山いるメジャー大会です。つまり、この大会は「お金を生んで、そのお金を力に変える」ことをチャリティーランナーというシステムを通じて果たしているのです。
言うまでもなく、今回のチャリティー費も上記を含めた様々な団体に寄付され、力になりますし、そのことをチャリティーランナーになったことを通じて知ったり勉強した人たちは、きっと納得しているのではないかと思います。
1つだけ、先に中国からの参加者に向けて「来年出走権と、その際の出走料は免除するから、今年の参加を自粛して欲しい」というアナウンスをしたことと、今回の返金無しという中国以外の人たちへの対応の矛盾はあるので、それが疑問視されるのはもっともですし、多分、そのことを踏まえたアレンジ案がアナウンスされることはあるんじゃないかと思います。
それにしても今も残念です。
東京マラソンとしても2020年というオリンピックイヤーに、この国の陸上の人気を支えたり活性化してきたこの大会が、まさかこういうことになるとは思っても見なかったでしょうし、去年の五輪のマラソンが東京から札幌へ移行するという判断を含め(実際に東京マラソンと五輪は直接の関係はないけど、東京での五輪の公道マラソンの様々なロールモデルを東京マラソンが作ってきたし、それを五輪側も参考にしてきたのは事実だと思います)、悔しいことが続いた東京マラソン。まずは今年のかつてないエリート大会の成功、そしてなるべく混乱が少ない状態で来年の大会が開催されることを願います。