富士あざみのバス事故の報道で気を付けるところ | 鑑定士のブログ

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富士あざみラインのバス事故で、サイドブレーキが引かれていた。という報道が有りました。が、別な報道では、サイドブレーキが引かれていた可能性、という報道でした。

この報道から、ブレーキが全然効かなかったかも知れない事が判りましたが、とすると当然ながら、どの地点からブレーキが効かない状況だったのか?それが焦点になるかと思います。

ただ、運転手は今日送検されていますから、本人が実際にサイドブレーキを引いた。と言ったなら、それも合わせて報道されているはずで、それが無いのは、警察や検察による情報操作の可能性も有りますから、そこは注意が必要になります。

私は、車両の故障&異常の可能性が、ブレーキのフェードアウトより高いと考えていますから、先ずコンピューター制御の誤作動の体験を書いてみます。

私は、古い車両に乗る事が多く、新しい車両の現状は、同僚からの又聞きになります。
私の知る最新型は、2014年の日野ですが、その当時の故障の話をしたいと思います。

お客様を迎えに行った時、急な勾配をバックで登って着けるしかない状況があり、そのバックの途中で、自動姿勢制御装置が誤作動して、リアのバンパーの下部が地面を擦って押し込まれ、マフラーの先端も傷付きました。

三菱ふそうでは、中央道の上り線の小淵沢からの連続下り坂で、いきなりハンドルが重くなりました。とっさに鍵のキーを切断して直ぐに入れたのですが、この時は治らず、メーンスイッチを切断し入れる。をした2回目になんとか直りました。

かなり古いバスですが、千葉の酒蔵にバックで停車し、出発しようとエンジンを掛けたところ、いきなりバックしてガクンと止まりました。この時のフィンガーシフトのギア位置表示は0。そこでしっかり運転席に座り、クラッチを切ってエンジンを掛けて、クラッチから足を離したらバックし始め、慌ててクラッチを踏んでも止まらず、ブレーキを踏んでも止まらず、停車した位置が酒蔵の庇から1mも無かった為に、庇に最後部が当たって止まりました。
勿論、この時のギアの位置表示は0のニュートラルだったのです。シフトレバーの操作では治らず、この時も何回もメーンスイッチを切ったり入れたりして、小一時間後に回復したのです。

観光バスは、湯沸し器や冷蔵庫が装備されていますし、客席の照明も沢山有り、電気関係は統一する必要がありますから、キーを使ってエンジンを掛けますが、その前にメーンスイッチを入れる必要があるのです。
コンピューターの誤作動〓バグの場合も、エンジンキーのオンオフで直る場合と、メーンスイッチで直る場合とがありました。
その他には、ドアが閉まらないのと開かないが各1回。

これら全てが、整備工場に持ち込んでも全て異常無し。で帰ってきました。
これらは全てコンピューターのバグだったという事になります。

私が知る新しい装備は、運転手の目をモニターし、居眠り運転の危険を無くす装備に、オートクルージングの装置も有ります。これは同じ速度で走行する為のシステムで、同僚の話では、前方に割り込まれたりし、車間距離が短くなると、自動的に減速して車間距離を取る。そんなシステムです。
最新型では、シフトも半自動でコンピューターが制御するそうで、このシステムの欠点としては、急な勾配のキツいカープの登り坂で、シフトダウンをした時に、コンピューターが勝手に判断して止まる事があるそうです。
この富士あざみラインの事故では、行きの登りの時に、異常に遅かったという報道も有りますから、運転手が事故車両に慣れて居なかった可能性も考えられます。

車両の異常の可能性は、ここに書いたように、私の体験でも2年に1度程度は有り、私が古い車両が多い事を考慮しても、倍の4年に1度くらいは発生していると思います。
観光バスが10台もあれば、半年に1度くらいは制御するコンピューターのバグは発生していると思います。
このバグは、どんな部品に多く発生するか判らない事が困る事で、運が悪い人間の場合には、何らかの事故になってしまうのです。

次にサイドブレーキを引いた場合ですが、サイドブレーキは、引いた場合には効くか効かないかの二択ですから、引けば当然ロックされて、滑り出すのは必然という事になります。
ただ軽井沢バス事故の裁判の場で、三菱ふそうの社員が証言したはずですが、エアが不足したら、緊急停止装置が作動するとの事ですから、この装置が作動しても、同じ挙動になる。と考えられます。
この場合には、運転手の責任を問えるのでしょうか?
エアが不足したら、確かに警告音はするはずですが、音をカットしている場合も有りますし、この音カットは違法では無いはずで、エアが何故不足したのか?それを問題にするべきだと私は考えます。
ブレーキが効かない。と言う言葉から、ブレーキのフェードアウト以外にも、ブレーキシステム系の故障や異常が考えられますから、メーカーに任せないで、警察の科学捜査研究所でしっかり調査して欲しいと切望致します。

先に書きましたが、この事故車両に運転手が不慣れで、ブレーキを踏み過ぎてしまい、ブレーキがフェードアウトした可能性も勿論有ります。
この場合は、サイドブレーキを引くしか方法が無くなったと考えられますから、当たり前ですが運転手の責任。という事になります。

様々な情報が交錯する中で、限られた情報の中で拙速で書き上げました。
それは、運転手の責任という流れが見えるからで、真の原因究明を願うからです。

美杉観光さんのホームページの口コミで、速度超過と荒い運転が有った。という事ですが、美杉観光さんは、安全管理のハートマークの星3つでし、その審査には当然ながら走行状態も有りますから、そんな状態を放置していたら、星3つは取れない。と私は考えています。
私の勤めていた会社とは隣組ですから、かなり出合う事も有りましたが、デジタコの設定速度の限界の103kmで走行していた私は、1度も美杉観光さんに抜かれた事は有りませんでした。
勿論、細かな走行の状態は判りません。が、これも責任が運転手に有るという流れだと思いますから、敢えて書かせて頂きました。

事故車両は、メーカー立ち合いのもとに調査される。という報道で、どこに運ばれたかが判りません。これも少し嫌な流れです。