昔、本屋さんで見つけた、

「私は私」

という本。


著者はエリカさん。


ニューヨークで人生を切り拓いた人。


美しく、強く生きることを

大切にしていた人。


同じ女性として、

まぶしかった。


そんなエリカさんが、

がんに罹患した。


偶然にも治療先の病院が私と同じだった。


抗がん剤治療を受けていらした時、

採血のあたりでバッタリ出会った。


とても爽やかなオーラを放っていた。


重い病気を患っているとは微塵も感じさせない。


声をかけられなかったことを、

とても悔やんでいる。


エリカさんのブログを拝読していて、

とても前向きな姿勢に励ましていただいていること、

感謝していること、

それだけでもお伝えしたかった。



それからほんの数ヶ月で、

ブログは途絶えたままになった。


毎日何度も何度も確認しても、

更新はされない。



他の誰かのブログで結末を知った。




私は英語もろくに話せないくせに、

ニューヨークに憧れたことがある。


10代前半の頃に聞いた、

クリストファー・クロスの

「New York City Serenade」という曲が、

あまりにも甘く切なく心に響き、


そして、見たこともない摩天楼が私の胸の中いっぱいに広がった…という記憶がある。


きっとエリカさんも、

この曲を聴きながら、

摩天楼を眺めていたんだろうな…。



今更だけど、

後悔をしないように、

不要な遠慮なんか捨てて、

感謝の気持ちをきちんと言葉にして伝えようと決心した。