子どものころ、夏になると兄妹三人でスイカをよく食べていた。
縁側に座って、種を飛ばし合うのが定番だった。
庭に落ちた種から芽が出たことがある。
小さな双葉を見て、スイカって強いんだなあと妙に感心したのを覚えている。
夏風邪をひいたとき、母がスイカを買ってきてくれた。
食べたあと気持ちが悪くなって吐いたのだが、吐いたものが真っ赤だった。
子どもの私は本気で驚いて、
「血を吐いた!」
と母に叫んだ。
もちろんスイカだった。
子どもの頭はなかなか面白い。
今でも、夏になると茨城の友だちが大きなスイカを二つ送ってくれる。
箱を開けると、なぜかその出来事を思い出す。
スイカを見るたび、夏の記憶が一緒についてくる。
