君の手






握っていたはずの君の手を放したのは僕


君を置き去りにしたのも僕


君を傷つけて、壊したのも僕


だけどね、


後悔なんて全くしていないよ


僕は醜い野獣そのものだから


本能のままに進むだけ


それが、この世界での生き方、生き残り方


正直に言うと、君のおびえた顔で


僕は絶頂だったんだ



だから、だから



僕に微笑まないでくれ


憐みの目で見ないでくれ



だから、だから



僕も壊して……


ぐちゃぐちゃになって


めちゃくちゃになって


この世界から消してくれ






君の手で、どうか……