”てんとうむし”が走っていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%BB360
散歩の途中に、颯爽と小さな車が通り過ぎていきました。
おおっ、懐かしい、あの”てんとう虫”と呼ばれていたスバル360です。
1958年~1970くらいまで作られた車ですから、多分製造後40年くらい経っているはずです。
軽快なエンジン音を響かせ走っていきました。
この車がなつかしいのは、大学時代の思い出があるからです。
それは40年ほど前、先輩が中古車を買って学校にやってきたのです。
”お~い””みんな聞いっちゃて、オレ車買ったぜ、見に来て、
下に停めてるから”
みんながいるところは、4Fの美術部です。
そこから下を見ると、ブルーの可愛い車が見えました。
スバル360です。
"先輩、乗せて、乗せて”
早速友達と、4人で乗り込みました。
ぷるる、ぷるる、ぶすん、ぶすん、エンジンがなかなかかかりません。
”ちょっと、後ろから押してよ”
やむなく、仲間3人で押すと、黒い煙とともに、ようやくかかりました。
”ねえ、この車いくらで買ったとですか”
仲間が恐る恐る聞くと、
ニャット、笑って”3000円で買うたとよ(こうたとよ)”
”安かったろうが”
この時代、一日のバイト料が1000円でした。
だから、3日分のバイト料で中古の車を手に入れて、にやにやしているわけです。
エンジンがかかりましたが、助手席のドアが閉まりません。
”先輩、ドアがしまりません、どうしたら、よかとですか?”
”そこに紐があるから、それでしばってよ。”
”先輩、しばりました。”
”よし、右オーライ、左オーライ、発車~っつ”
4人を乗せても、スムーズに走り出しました。
”先輩、すごく寒いです”
”床にでっかい穴が開いてますよ”
丁度、1月か、2月のころでしたから、車の床の穴から寒風が
車内に入ってきて、その寒いこと、
”先輩、暖房は、なかとですか?”
”そげなもん、なかと。緊急暖房ば、手に入れるけん、もうちょっとがまんしとき”
しばらく寒さに震えながら、町のほうまで走ってきて、ある店の前に停めました。
急いで車から出て行くと、先輩は、新聞紙を抱えて戻ってきました。
”ほら、緊急暖房たい、みんな食べり!”
新聞紙から出てきたのは、でっかい焼き芋でした。
”あちち、あちち”と言いながら、福岡市内の繁華街を一周したのです。
この車に乗っていつもの町を眺めると、ちょっと違う感じがしたものです。
スバル360の大きさ、いまどきの車にぴったりです。
http://www.warabi.ne.jp/~fabric21/newpage.2html