今日は、とあるイベントがあった。

前日、私はいつも通り椅子を並べた。

せっせと。

黙々と。

一脚ずつ。

もう手慣れたものです。

椅子と椅子の間隔を見て、
向きを揃えて、
列を整える。

もはや私は、
「椅子並べの達人」です👏

……なんの達人なんだろう。

そして迎えた本番。

ステージには登壇者。

一方、その頃の私は、

「昨日ここに椅子並べたな……」

と、客席を見つめていた。

ちなみに登壇している人は、
前日に椅子を並べていない。

私は並べた。

あの人は並べていない。

あの人は壇上。

私は客席。

なるほど。

そういう仕組みか。🙂

人生って、
本当に分かりやすくできている。

裏方をやった人が
必ずしも表に出るわけではない。

そんなことは分かっている。

分かっているけれど……

私は何のために、
あんなに椅子をきれいに並べたんだろう。

椅子は整列している。

イベントも無事に終わった。

そして私は、
何もなかったかのように帰る。

今日も平和だ。🫠

ただ、心の中では思っている。

そろそろ私も、
椅子を並べる人生から
壇上に立つ人生へ。

いや、壇上じゃなくてもいい。

せめて、

「この人にも何かやってもらおう」

と思われる人生へ。

私はまだ、
椅子を並べている。

今日もまた一脚。

また一脚。

そして今日、
「椅子並べの達人」の称号だけが
着実に私の中に積み上がった。

……誰にも授与されていないけど。🥲