去年の夏 息子が逝ってしまったとき
青天の霹靂というのか…
自分の人生の中でこれほど驚き、悲しみ、心をえぐられた出来事はなかった。
語彙が少ないので自分の気持ちを言葉に置き換えると
とても軽くなりどう表現してよいのかわからない。
ただ、去年のあの夏
私は上手に泣けなかったようだ。
葬儀担当の方ははじめは男性で
言葉はとても親切だった。
縊死で亡くなった息子は少しづつ舌が出てきてしまう。
首筋の跡も気になった。
それを目立たないようにお願いすると
その男性は
亡くなり方が亡くなり方ですからね~…
と言葉を濁しながらも私には非難めいたように感じた。
その時は怒りよりも
そうだよね…自死の葬儀はそうなのかなと思った。
思い込もうとした。
それでも
怒りがわき
その人と相対するのがしんどかった。
火葬場が混んでいたので
数日後に葬儀が行われるので
毎日通った。
寂しがりやの息子を一人にはしたくなかったから。
でもどんなにクーラーをガンガンにつけても
少しづつ顔いろがどす黒くなってしまう。
なので
すぐ
安置室にもどしてもらう。
それが億劫なのか
え?もういいんですか?
今出したばかりなのに…
とこれまた非難を受けてるように感じた。
私のひがみ根性や心の狭さなのだろうが
その男性がとても苦手になった。
そんなこんなでその男性がいるときは
極力泣きたくなかった。
でも息子を見ると泣けるけど…
その後
大きな葬儀が入ったようで
その男性が担当からはずれた。
代わりに私より少し若いくらいの女性が担当になった。
男性は責任者のようで
女性が担当になることにとても恐縮していて
ペコペコ謝っていた。
いや、正直あなたよりずっとありがたいから…はい。
その女性は一生懸命やってくださった。
本当に感謝でいっぱいになった。
葬儀に関していろいろ決定しなくてはいけないことがその都度たくさんある。
パパはただオロオロしているだけなので結局私が決める。
その女性がなんとか
私と息子だけを二人っきりにしようとしてくださっていた。
でも
どうしても
娘が、夫が、姉がそばにいる。
私が倒れないか心配だったようで
誰かが必ずそばにいた。
私的には結構泣いていたのだが
その女性的には
足りなかったようだ。
葬儀が終わり
火葬場にも同行くださって
私だけ
その女性から呼ばれた。
おかあさん、
ちゃんと泣いてますか?
きちんと泣いて泣いてお別れしないと後が辛いですよ…
と言われた。
その時に初めて
その女性の甥御さんが息子と同じ年で(生まれ年が一緒らしい)
何年か前に自死したことを聞いた。
女性のお姉さん(亡くなった方のお母さん)がその時にほとんど泣かずに(泣けずに)ずっと長く苦しんでいらっしゃるとのこと。
だから
ちゃんと泣いてくださいね
と言われた。
今、それが心を占めている。
だんだんと息子が逝ってしまった時が近づくにしたがって
心が苦しい。
今は亡くなったすぐあとより
泣いているのではと思うほど
何を見ても
涙が出てくる。
息子が本当にいなくなってしまったことが恐怖でしかたがない。
もう少ししたら
去年は息子はこうしていたとか
ああいうことを言っていたという思い出は何もなくなる。
きっと
あの時
きちんと泣けていたとしても
同じかもしれない。
でも
ちゃんと
息子と2人きりで対峙していたら違ったのかな…と
いまさらに思ってしまう。
本当に情緒不安定なわたし。
みなさんと共にいられることが本当にありがたいと思います。