ねぇ、智?
うん?
嫌いなモノってある?
・・・・例えば?
音・・・とか。
音?
ほら、よく言うじゃん。黒板に爪たててキィ~って音が嫌だとか。
あぁ。・・・・別に何も嫌いなモノなんて無いけどな。
そっか。
涼は何かあるのか?
うん。
何だよ?
扇風機のね・・・音が嫌いなの。
なんで?
静かなとこで扇風機の音聴くと雨の音に聞こえるんだ。土砂降りの。
そうなのか?
うん。智もやってみなよ。強にするとホントに聞こえるから。
あぁ。・・・・・じゃあ涼は雨が嫌いなのか?
ううん。雨は好き。
は?
土砂降りは嫌な思い出があるから嫌いなんだ。
へぇ・・・。
聞かないんだ?
聞いても言わないだろ。お前。
うん。もちろん。
はっ!だろうよ。
さぁて。そろそろ、帰ろうか。寒くなってきたし。
冬に散歩って事自体寒ぃよ。
あはは。そうかもね。
前回の「電話」を読むと分かると思いますが、まだ涼哉が生きていた時の話です。
ちなみに、扇風機の音が嫌いなのも、土砂降りに嫌な思い出があるのも俺です。
涼哉の過去は俺の過去みたいなもんです。俺は死なないけど・・・。