映画ダラダラ感想


【ジャンル】 アクション 97分


【制作国】 アメリカ 2000年


【キャスト】 マーク・シンガー、マイケル・マドセン、チャールズ・ダーニング


【監督】 エド・アンドリュー


【ストーリー】
スティール家は、親子二代にわたっての警察官。
父はすでに定年退職しているが、息子のサムはロス市警に勤めている。
真面目ではあるが、決してカタブツというわけではない。
必要なら命令違反をするし、小悪党なら見逃してやることもある。
だがある日、同僚4人が倉庫から商品を盗み出している現場を目撃。
制服姿で堂々とパトカーに盗品を積み込む彼らを見て、呆然とするサム。
しかし、仲間を売ることはできないと、見て見ぬふりをしてしまう。
警官は法を破ってはいけないという父の信念に背いたサムは・・・。


【ダラダラ】☆☆
警部役でデニス・ホッパー、警部補役でマイケル・マドセンが出演。
作品に対する予備知識はないものの、この二人が出ているのなら楽しめそう。
・・・との期待は、冒頭の5分であっけなく打ち砕かれます。。


銀行強盗発生の通報を受け、現場に急行する多数のパトカー
(白昼なのに、広い道路にパトカー以外の車は1台も存在しないという謎)。
建物から出てきた犯人は銃を乱射、包囲している警官隊も発砲して応戦。
(堂々と身をさらして歩いている犯人には一発も当たらないのに対し、パトカー等の物陰に隠れて応戦している警官は次々に撃たれるという不思議さ)。


リアリティのカケラもないあまりに酷い演出に、茫然自失、ショック状態。(゜д゜;)
駐車場や地下室など、他のアクションシーンも出来が悪く、全く見応えなし。
アクション映画でありながら、アクションに見るべきものがないなんて!
監督のエド・アンドリューのことはよく知りませんが、本当に本職の監督?
Hシーンだけは妙に生々しく撮っているので、ただのエロオヤジかも(笑)


とまあ、辛辣なことを書きましたが、作品のテーマは興味深い。
仲間の不正を知った主人公の心の葛藤、しかも主人公自身が後戻りできないところまで来てしまったために、どの道を選んでも待っているのは身の破滅。
ラストはハッピーエンドとは言えませんが、唯一の救いの道なのかなぁ。。


原題は『L.A.P.D. TO PROTECT AND SERVE』、「市民を保護し市民に奉仕するのがロサンゼルス市警察」といった意味で、ロス市警のモットーのようなもの。
パトカーのボディにも書いてあるので、ロス市警が出てくる作品を観たときは、確認してみるのも面白いかも。書いてなかったら、ニセ警官です(笑)


この作品が公開される前年は、ロス市警最大のスキャンダルが発覚した年。
(証拠捏造、証拠品横流し、容疑者への過剰な暴力など、組織的に不正をおこなっていることが内部告発で発覚。30人以上の警官が処分を受けた)
おそらく、そのスキャンダルを受けて制作された作品だと思われます。
また、デニス・ホッパーは今年5月、ガンのため亡くなりました・・・合掌