以前から継続していた冬場のエンジン始動不良の続きです。
ある程度走行するとバルブクリアランスが狭くなる。
圧縮圧力が下がり正規の点火にならないために始動不良というのがヤマハの検証内容でした。
本当はシリンダーヘッドを開ける予定でしたが7/17のマジェスティS合体ツーリング前にトラブルになってしまうと行けなくなり、他の方に迷惑が掛かる可能性があるためにヘッドカバーを開けてバルクリ調整のみの作業にしました。
圧縮圧力と圧縮比の違いについて。
圧縮圧力は簡単にいえば測定可能でサービスマニュアルにも記載してあり最小・標準・最大と数値が記載されています。
測定方法はコンプレッションゲージにて測定。
【測定方法】
1:エンジン暖気5分
2:プラグを抜く
3:ゲージジョイントをプラグ穴に差し込み
4:アクセル全開でセルを回す(最大7回まで)
5:測定
圧縮比についてはメーカーのカタログ数値と理解で良いかと。
メーカー以外では測定不可と認識で良いかと。
ヘッドカバーを開ける前に測定しました。
ですが手順を覚えていたつもりでしたが、アクセルを開けないでセルを回してしまった数値なので正確な数値でないと思います。
この数値でしたらエンジンアウト。となりそうです。
アクセルを開けない状態で9kg弱。
マニュアル最小数値では13.6kg
この時点で疑問に思って手順をみたらよかったかも知れませんが。
マジェスティSは水冷エンジンでマニュアルではバルクリ調整時には冷却水を抜いて作業と記載してあります。
しかし冷却水は抜かなくても調整は可能です
カバーを開けてバルブを付近を確認すると、ん
何故カーボンがバルブガイド付近の多く付着?
この時点で何点か推測が出来ると思います。
①シリンダーヘッドのバルブガイド付近にカーボンが多く付着するとバルブが上がり、クリアランスが狭くなり圧縮圧力低下。
②ヘッドのバルブシートとバルブのすり合わせ不良の可能性。
自分は燃料はi-comで若干増量していました。
通常は対応できるはずでしょうが、スロボ不良で基準以上に燃料が噴射されていたかも知れません。
とすると①の可能性が高いかと思いました。
シリンダー購入を検討していましたがシリンダーは交換しなくても清掃やすり合わせで修理が出来ると思います。
ツーリング後に時間をかけて作業したいと思います。
以前カバーを開けた時は解らなかったですがロッカーアームがローラーになっている
マジェスティSはパワーを出す為に色々な新技術が組み込まれているようです。
当然ローラーになっていると抵抗が減るためにパワーが出ますしカムの減りも遅いと思います。
楕円インマニや純正プーリーの完成度もそのためだと思います
バルクリ調整にはピストンが最死点の位置になりロッカーアームがフリーにならなくてはなりません。
確認するにはラジエターを外してフライホイールのマークと点火時期位置が一致した場所になった場所で調整を行います。
本当はヘッドのカムカバーのTマークも一致しなくてはなりませんが工具が入りずらいのでスルーします。
位置合わせしてロッカーアームを触れると、ん?
フリーになっていない
ん?組みがおかしい?
いやいやそんな訳ない。
走らないはず。
あー、位置が違う。
フライホイールをもう一回転。
この位置がピストン最死点のカムカバーTマーク位置でした。
ロッカーアームとバルブに隙間が出ました。
バルクリ隙間測定をしました。
マニュアル基準では
インテーク側0.08~0.12mm
エキゾースト側0.22~0.26mm
測定をするとインテークは0.10mmほどでしたから問題ないかと。
エキゾースト側が0.20mmほどしかありませんでした。
これをめいいっぱいの0.25mmに調整しました。
調整後すべて戻してエンジン始動するとパタパタ音がするようになりました。
変化しましたよ
そこで再度圧力測定を行うと10kg弱。
やや上がりました。
走行してみました。
エンジン回転が加速時7000rpmが7800rpmに上がりました
ですが、他の純正マジェスティSより加速が遅いです。
きちんとした状態ではないと思います。
回転は上がりますがパワー感が少ないです。
とりあえずそれなりに走るようになった。
という感じだと思います。
合体ツーリングから帰ってきたら本格的に作業します
つづく