グーグルが見る日本市場の独自性と成長性とは? | 国際そのほか速

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 グーグルが見る日本市場の独自性と成長性とは?


 

  Googleはこのほど、AndroidやiOSのアプリ開発者向けに「Google for モバイル アプリ」というイベントを東京・六本木で開きました。「Googleと切り開くアプリ ビジネスの未来」と題した基調講演では、アジア太平洋地域統括副社長のクリス・ヤーガ氏が、同社の今後注力すべきアジア市場、特に日本市場の展開について語りました。同氏の発言から見えてくる日本の市場の独自性と成長性とは?


日本のスマートフォン利用時間はフランスの2倍

 [写真]Googleのクリス・ヤーガ氏(2013年撮影、Natsuki Sakai/アフロ)


  日本でのスマートフォンの普及は誰もが実感していますが、アジア圏ではその使われ方自体が大きく欧米と異なっています。
 
  Googleの調べでは、日本人の一日あたりのスマートフォン利用時間はフランスの2倍にものぼるそうです。15歳~25歳の若年層では、すでにテレビの視聴時間をスマートフォンの利用時間が大きく上回っており、スマートフォンをメインのコンピューティングデバイスとして利用しているという背景がうかがわれます。
 
  情報、エンターテイメント、ツール、コミュニケーション、様々なものが集約されたスマートフォンは、すでにテレビやパソコンといった既存のデバイスの延長ではなく、生活をそこに委ねる依存性の高い端末となっているのでしょう。


スマートフォンが日本で成功している理由とは?

  世界中で多くの企業が、モバイルでの利用を前提とした開発や運営を行う「モバイルファースト」を方針に掲げ、スーパーや薬局、コーヒーショップなど身近なところまでスマートフォンの展開を進めています。
 
  アジア圏は、先述のようにスマートフォンの利用時間割合が高い分、「モバイルファースト」があたりまえの世界になっており、「モバイルファースト」のイノベーションはアジアから始まっていると言います。
 
  日本では特にゲーム「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」の成功も寄与し、国別売上高ではトップとなっています。その背景として「日本人には、ユーザの体験を完璧にしたいという感覚が文化として根付いているのでないか」とヤーガ氏は考えています。


今後Androidはどのように成長していくのか

  現在Androidの出荷台数は世界で約10億台、そして今も毎日150万台のAndroid端末が新しく起動されているそうです。150万台の端末を積み上げていくと優に富士山の高さ(3,776 m)を超えるものとなります。つまりそれだけのビジネスチャンスが毎日増え続けているとも言えるでしょう。
 
  Android端末というものは何もスマートフォンに限りません。Googleが昨年発表したLolipopという新しいOSは、スマートフォン、タブレット、腕時計、テレビ、車など、あらゆる環境でシームレスに体験を引き継ぎながら楽しむことを前提に作られています。
 
  ですから、帰りの電車でスマートフォンで遊んでいたゲームを家についたらテレビとコントローラーで楽しむこともできますし、Google Playで購入した映画の続きを見ることもできます。
 
  Googleの強みはハードウェアをサードパーティーに任せソフトウェアに開発を集中することにより、こういった多方面への展開をしている点にあると言います。ここはハードウェアとソフトウェアの親和性を高めることで品質を上げようとしているAppleとは対局にあると言えるのかもしれません。
 
  Apple Watchも近々発表が噂されており、GoogleとAppleを含めたスマートデバイスの展開はますます加速していきそうです。


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