日本ハム・田中賢、米の“幻影”振り払った 低いマウンドにあわせ“日本仕様”に | 国際そのほか速

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日本ハム・田中賢、米の“幻影”振り払った 低いマウンドにあわせ“日本仕様”に 

 米レンジャーズから復帰した日本ハム・田中賢介内野手(33)が19日、沖縄・名護キャンプで行われた韓国ハンファとの練習試合で、実戦初安打を含む3安打を放ち“確変モード”に入った。

 「とりあえずヒットが出たことにホッとしている。焦りはなかったが、感覚が合っていなかったのでイヤな感じはあった。自分のやりたいことが結果として出たのはよかったと思います」

 メジャー帰りのベテランの顔に、安堵の笑みが浮かんだ。この日の安打の内訳は、2本の左中間二塁打と中前打。中でも手応えを感じたのは、4回の第3打席でセンター前に運んだ打球だ。

 「ようやく光が見えてきた。あれが、ぼくの特徴が出ている本来のヒット」。ここまでの実戦4試合で11打数無安打だった。それだけに5試合目でようやく飛び出した快音にひと安心だ。

 2012年以来3年ぶりに戻った古巣では、米国と日本球界の差異に苦しんでいる。田中が口にした「イヤな感じ」とは“メジャーの幻影”だ。

 米国では日本と比べ、高く作られたマウンドから2メートル近い高身長の投手が投げ下ろし、その球には強烈な角度がある。これに対応するため、打者は無意識のうちに体が伸び上がり、スイングはアッパー気味になる。

 だが、日本の投手は比較的低いマウンドから投げることで球の角度はフラットになる。そのため地面と平行なレベルスイングが理想的とされる。メジャー仕様となっていたスイングがアダとなっていたのだ。

 「何でかな、何でかなと思いながら、あれも違う、これも違うと試してきて、ようやく結果につながった。まだ2月半ばでしょう。これから合わせていきますよ」

 笑顔も戻ってきた。メジャーの幻影を打ち払い、日本の8年間で1052安打を放った実力が復活すれば、チームを3年ぶりの優勝に導けるはずだ。 (片岡将)