兵庫県は20日、同県加古川市の県立加古川医療センターで昨年9月、くも膜下出血で救急搬送された60代女性=神戸市在住=の頭部手術の際、頭蓋骨(ずがいこつ)に穴を開ける金属製ドリルの先端が折れ、破片(直径1.1ミリ、長さ5ミリ)が頭部内に放置される事故があったと発表した。ドリルの種類を間違えたのが原因で、約2カ月後に再手術で取り除いた。後遺症などはなかったといい、県は女性に謝罪した。
県病院局によると、医師が頭蓋骨の切開用ドリル(直径2.3ミリ)でなく、より細い穴開け用ドリル(同1.1ミリ)を誤って使用。途中で気付いて取り換えて手術を終えた。しかし、同年11月10日の磁気共鳴画像化装置(MRI)検査で、穴開け用ドリルの先端が頭蓋骨の内側に付着していることが判明し、同20日に除去手術をした。ドリル本体は手術中に看護師が廃棄したため、医師は破損に気付かなかった。
県は、手術終了までドリルを廃棄しないようマニュアルに明記するほか、使用器具の確認を徹底させるなど再発防止策を講じる。【久保聡】