神奈川県厚木市のマンションで16日夜、母親が娘2人を死なせた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された同市水引2、無職、山本夏美容疑者(29)が「2人の首を絞めて殺した。育児や家事をこのまま続けられるか不安だった」と供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。県警厚木署は、山本容疑者が育児に悩み娘2人を殺害したとみて、容疑を殺人に切り替えて捜査する。
同署の調べでは、山本容疑者は会社員の夫(35)と死亡した長女の果歩(かほ)ちゃん(6)、次女の紗季(さき)ちゃん(3)の4人暮らし。果歩ちゃんは幼稚園の年長、紗季ちゃんは山本容疑者が自宅で面倒を見ていた。事件当時、夫は会社から帰宅していなかった。夫は「昨年10月ごろから、妻は『育児に自信がない』と言っていた」と話しているという。
また検視の結果、2人の首に手で絞められたような痕が確認された。他の部分に目立った外傷はなく、同署は18日の司法解剖で詳しい死因を調べる。
同署によると、一家は2013年4月にマンションに転居。マンションの住民は「近所付き合いはほとんどなかった。(山本容疑者は)いつも伏し目がちだった」と話していた。【水戸健一】