日本サッカー協会が日本代表後任監督人事で“売名被害”を受けていることが10日、分かった。同協会が進めている日本代表の後任監督選びについて、複数の海外著名指導者から「日本からの打診を断った」というコメントが相次いで出されているが、すべてリストに入っておらず、打診もしていないことが判明。最悪の場合、本命との契約交渉に影響が出かねない状況だ。
これまでプランデッリ、ラニエリ、マッツァーリ、レオナルド氏が日本代表監督就任の打診を断った、または就任に消極的な姿勢を示したなどと現地メディアなどで報じられてきた。だが関係者によれば、この中で実際に日本協会が打診した人物はおらず、候補リストにすら入っていないという。
サッカー界における契約交渉は、監督本人ではなく、代理人と行うケースが圧倒的に多い。日本協会、監督の両者と関係のない代理人たちが、仕事欲しさに勝手に「日本代表の監督に興味はないか」と声を掛けていることが想定されるという。サッカービジネスとしては常とう手段だが、これが候補上位との契約交渉に影響を及ぼす可能性があるのだ。
断りのコメントが出されれば出されるほど、日本協会が交渉しづらくなることは間違いない。実際、契約交渉に入る時、相手に優先順位が低い―との認識を持たれるためだ。すんなりまとまるはずだった契約も、心証を悪くしたために、余計な金を積まなければいけない状況もあり得る。
日本協会では3月下旬の国際親善試合までの契約締結を目指しており、人選を急がなければいけない。近々、候補を一本化し、本格的な契約交渉に入るとみられるが、思いもよらない横やりに邪魔される恐れが出てきた。