内閣府が16日発表した2014年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算2.2%増だった。プラス成長は3四半期ぶりで、14年4月の消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減の影響は和らぎつつある。ただ、個人消費や設備投資は小幅な伸びにとどまった。年率2.3%減だった7~9月期以降の景気回復の勢いには、力強さが見られない。
民間予測では、実質で年率3%台後半の伸びが見込まれていた。円安効果もあって輸出は増えたものの、GDPの6割を占める個人消費のほか、設備投資も4~6月期に大きく落ち込んだ後、横ばい圏内の動きが続いている。
甘利明経済財政担当相は記者会見で、景気の先行きについて「消費者マインドは上がってきており、将来に期待が持てる」と強調。今春闘での賃上げや消費税率10%への引き上げ延期も寄与するとの認識を示した。
物価の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPは前期比1.1%増、年率は4.5%増だった。
実質GDPを主な需要項目別に見ると、個人消費は前期比0.3%増にとどまった。スマートフォンやパソコンは増加したが、かばんをはじめとする身の回り品などの不振が足を引っ張った。設備投資は3四半期ぶりにプラスとなったが、0.1%増だった。
住宅投資は1.2%減、公共投資は0.6%増。輸出は米国や中国向けが拡大したほか、訪日外国人の増加も寄与して2.7%増に伸びた。輸入は1.3%増だった。