
県内の小学5年生が乗り込んで琵琶湖について学ぶ県の環境学習船「うみのこ」の新船の概要がまとまった。少子化を受け、定員を60人減らして180人とする一方、実験室や水中音波探知機(ソナー)の新設などで学習設備を拡充。2017年度の就航を目指す。
現行船は1983年に就航。県内全小学校を対象に、5年生が複数校ずつ1泊2日の日程で大津、長浜などに寄港しながら、採水してプランクトンを観察したり、手こぎ船の操船を体験したりする。就航から30年を超え、県は約30億円で新造を決めた。
新船は現行船と同じ大きさ(全長約65メートル、幅約12メートル)だが、スクリューをディーゼルエンジン式から電動式に変え、二酸化炭素排出量を削減。強風対策で満載喫水を約1・5メートル(現行1メートル)と深くし、1層多い5層構造とするため、総重量約1200トン(同928トン)、延べ約2000平方メートル(同約1330平方メートル)とする。
新設する実験室(約15平方メートル)では顕微鏡などを備え、水質調査などを実施。甲板のソナーは水深などが測定できる。甲板が手狭になるため、現行船では5隻搭載している手こぎ船を降ろし、寄港地周辺で保管し、操船体験をする。
宿泊室12部屋の1部屋あたりの定員は10~16人(現行20人)。食堂を広げて学習室と兼ね、現行の学習室を交流用の多目的室にする。県教委は今年度内に概略設計をまとめ、新年度に本格的な新造に着手する予定。(小野圭二郎)