【広島】カキ船vs原爆ドーム=カキ船移転計画めぐり論争 | 国際そのほか速

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原爆ドーム近くへの移転が計画されているカキ船「かなわ」(写真上)と、
移転予定地(同下)。移転先は奥に原爆ドームが見える=広島市中区
http://www.jiji.com/news/kiji_photos/0150215at16_p.jpg

 川岸に係留した屋形船でカキ料理を提供する「カキ船」を広島市中区の
原爆ドーム近くに移転する計画をめぐり、一部の市民から「祈りの場である
ドームの世界遺産としての価値が損なわれる」と反対の声が上がっている。
市は「カキ船は江戸時代から続く広島の文化。手続きにも法的にも問題はない」
と理解を求める考えだ。

 カキ船は現在、ドーム前を流れる元安川に2店ある。このうち、ドームの
約600メートル下流で営業している「かなわ」が今年夏にも、原爆忌の式典
などが行われる平和記念公園脇の元安橋のたもとに移転する。台風などで流され
橋にぶつかる恐れがあるとして、川を管理する国が流れの少ない場所への移転を
求めたからだ。
 かなわは市などと移転先を協議。市が事務局を務める「水の都ひろしま推進
協議会」は昨年11月に移転を認め、国も河川の占用許可を出した。
 これに対し、一部の市民らは「カキ船のにぎわいは平和の地にふさわしくない」
と反発。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「日本イコモス国内委員会」
も1月末、移転先が「鎮魂と平和への深いつながりを持ったエリア」だとして、
カキ船がドームに近づくことを問題視し、松井一実市長に懸念を表明した。
 市は「慰霊碑の管理者や被爆者団体などへの説明を行ってきた。(今後も)
説明を尽くす」とコメント。松井市長は9日の記者会見で、元安橋付近で既に
営業中の飲食店に触れ、「問題は生じていない」と指摘した。かなわの三保二郎
社長も「カキ船文化は絶対に必要。平和の発信も昔からやっている」と話している。
(2015/02/15-14:32)JIJI
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2015021500089