大津市晴嵐(せいらん)1丁目の盛越(もりこし)川の河口付近にあったスーツケースから女性の遺体が見つかった事件で、滋賀県警は14日、三重県伊賀市緑ケ丘中町の薬剤師、松生(まついき)多恵子容疑者(50)を死体遺棄の疑いで逮捕し、発表した。「死んでいたので遺棄した」と容疑を認めているという。女性が死亡した経緯についても事情を聴く。
大津署によると、女性は松生澄子さん(79)で、多恵子容疑者は澄子さんの次女。多恵子容疑者は1日夜、澄子さんの遺体が入ったスーツケースを盛越川近くの琵琶湖に遺棄した疑いがある。
澄子さんは、多恵子容疑者と2人暮らし。澄子さんは半年ほど前から寝たきり状態で、多恵子容疑者が介護していたという。介護施設に入所していた澄子さんの夫(84)は、1月28日に病死。澄子さんの死亡推定日時は同日ごろで、県警は関連を調べている。
遺体は今月3日、川に浮かんでいたスーツケースの中から見つかった。遺棄現場付近の防犯カメラに多恵子容疑者の軽乗用車が映っており、14日朝から事情を聴いていた。
近所の人の話によると、多恵子容疑者は伊賀市内の病院に勤務しており、数年前から両親の面倒を1人でみていたという。近くに住む女性(78)は「仕事もきちんとして、まじめな人だった」と話していた。