福岡県福津市と韓国・慶州市にある「慶福交流会」。同県福間町(当時)で語学講師を務めていた韓国人が、受講生と共に訪韓したことがきっかけとなり、両地域で2000年に発足した。
毎年春に日本側が、秋に韓国側が互いに訪問。慶州さくらマラソンには07年、福津市の会員がウォークの部に初参加し、双方のメンバーがおそろいのトレーナー姿で桜並木を歩いた。
福津市の会員有志で出場を続け、今大会も約10人がウォークを楽しむ予定。自らも参加する国分準司副会長(66)は「韓国の皆さんと長時間歩くことで、会話が弾み、心を通わすこともできる。観光地巡りでは味わえない魅力がある」と話す。
「政治的な問題を乗り越え、民間交流を続けることが大切。大会はその一翼を担っている」。韓国側の朴(パク)大善(デソン)会長(51)も評価する。
8か国14都市と姉妹都市や観光友好都市の関係にある慶州市。09年に観光友好都市となった栃木県日光市は、毎年夏に開催する「日光杉並木マラソン大会」の上位者を、12年から慶州さくらマラソンへ派遣。これまでに延べ21人が訪韓し、今大会も7人が参加する。
慶州市はこれに応え、今大会からマラソン部門の10キロで最上位となった市民2人(男女各1人)を、今夏の日光杉並木マラソンへ派遣することを決めた。
日光市スポーツ振興課の館野修さん(47)は「マラソン交流を通じ、友好都市の絆を深めたい」と語る。
ランナー間で草の根の親善も進む。大阪市で韓国料理店を営む方(バン)成敏(ソンミン)さん(51)は13年から、日韓両国のマラソン大会に出場し、ランナー仲間を増やしてきた。
今春の慶州さくらマラソンにも、昨年に続いてフルの部門にエントリー。一緒に出場する日韓のランナーらに呼びかけ、現地で親睦会も企画している。「両国を知る自分が日韓の架け橋になれれば」。方さんはマラソンによる友好の輪を広げていきたいと考えている。
「今年は日韓国交正常化50年の節目にあたる。より多くの日本人に参加してもらい、両国の関係改善に結びついてほしい」。大会を主催する慶州市で日本との交流を担当する鄭(チョン)美榮(ミヨン)さん(42)は、期待を胸に、慶州路に集う日本からのランナーたちを待ち望んでいる。
◆慶州さくらマラソン&ウォーク2015
4月4日(土)、韓国・慶州市の普門湖一帯で開催。マラソンの部はフル、ハーフ、10キロ、5キロの4種目。ウォークの部は午前に10キロと5キロ、午後に8キロがある。申し込み締め切りは3月9日。
参加料はマラソンの部のフル5500円、ハーフ5000円、10キロ4500円。マラソンの5キロとウォークは3000円。詳細は大会公式サイトで紹介。問い合わせは事務局(092・715・6093)へ。
【主催】読売新聞社、慶州市、韓国観光公社【共催】FBS福岡放送、報知新聞社