「イスラム国」や国際テロ組織アルカーイダ系のヌスラ戦線など、イラクやシリアの武装勢力に合流した外国人戦闘員が推計で2万730人に達したことが英ロンドン大キングス校過激思想研究センター(ICSR)の調査で明らかになった。
最大2万人が参加したとされる1980年代のアフガニスタン戦争を上回る勢いで世界各地から外国人戦闘員が流れ込んでいる実態が浮き彫りになった。
調査によると、外国人戦闘員のうち約4千人が西欧出身で、2013年12月時点よりも2倍に増えた。内訳はフランスが1200人と最も多く、次いでドイツ(500~600人)と英国(同)、ベルギー(440人)、オランダ(200~250人)の順になっている。
中東・北アフリカからは全体の半分以上を占める約1万1千人が合流。その多くはヨルダン(1500人)、サウジアラビア(1500~2500人)、チュニジア(1500~3千人)、モロッコ(1500人)の4カ国に集中している。
旧ソ連圏からは約3千人が流入し、ロシア800~1500人、ウズベキスタン500人などとなっている。
ICSRは、外国人戦闘員のうち5~10%は死亡し、10~30%が戦闘地域を離れたとしており、実際に戦闘地域で活動中の戦闘員は少ないとみられる。しかし、出身国に戻ってテロ活動を行うケースがあることから、各国政府は戦闘地域からの帰国者への警戒を強めている。
データは各国の政府統計、報道、武装勢力の主張などを基に集計された。東南アジアのデータは十分ではないとして推計に含まれておらず、実数は推計より多い可能性がある。