◇ベラルーシの首都ミンスクで開催へ
【ミンスク田中洋之】ウクライナ東部情勢を協議するドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの4カ国首脳会談が11日、ベラルーシの首都ミンスクで開かれる。東部で政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘が激化するなか、即時停戦や和平に向けた枠組みで合意できるかが焦点となる。ただ、ロシア・親露派とウクライナの立場は大きく異なっており、具体的な成果につながるかは不透明だ。
首脳会談に先立ち、ウクライナ、ロシア、全欧安保協力機構(OSCE)の「連絡グループ」に親露派代表を加えた協議が10日夜、再開した。先月31日に決裂していたがギリギリの調整が続いた。
ウクライナ東部では昨年9月の停戦合意(ミンスク合意)が守られず、今年に入って戦闘が激化した。親露派は新たに拡大した支配地域の周囲に停戦ラインを引くよう要求。9月の合意時点での線引きを求めるウクライナ側との対立を深めた。親露派支配地域への自治権付与や、停戦を監視する国際平和維持部隊の展開などでも対立している。
首脳会談で進展がない場合、米国はウクライナへの武器供与に踏み切る構え。ロシアが対抗策として親露派への軍事支援を強化すれば、紛争が米露の「代理戦争」に発展しかねない情勢だ。
今回の首脳会談は、紛争拡大を懸念したオランド仏大統領、メルケル独首相が今月5、6日にキエフとモスクワを訪れて仲介外交を展開して開催にこぎつけた。また米ホワイトハウスによるとオバマ米大統領は11日未明、プーチン露大統領に電話し、ウクライナ和平に向け影響力を行使するよう要請した。当初、4カ国首脳会談は1月15日にカザフスタンの首都アスタナで予定されたが、ウクライナ情勢悪化で見送られた。