――5年前の今日、何があったか覚えている?
「うーん、覚えてないな」
――バイエルンのプロ選手として、17歳でデビューした日だ。
「そうか。もう5年も経ったんだ。早いな」
――すべてはファンハール監督(現マンチェスター・ユナイテッド監督)のもとで始まり、ハインケス氏、ペップ・グアルディオラ監督の下でプレーしてきた。
「3人とも世界レベルの監督だ。どの監督の下でも大きなステップアップをすることができた。ファンハール監督はとても厳格だったけど、彼を必要とする人には力を貸す人だった。ハインケス氏は父のような存在。ペップは驚くほどサッカーの知識がある」
――シュトゥットガルト戦のFKはすごかった。30メートルの距離がありながら、左足の無回転キックでゴール右上にライナーで突き刺した。
「15歳の頃から練習している。ロナルドやベッカムのビデオを見ながら、技術を向上させようと努めてきた」
――距離がある方がけりやすそうに見える。
「25~30メートルの位置が得意かな。それくらいが僕のシュートの軌道にとって理想的だね」
――右足で蹴ったことはある?
「ないよ。右だったら誰も蹴らしてくれないと思う(笑い)」
――右ひざを故障し、前期終盤までの2か月間離脱し、苦しかった?
「あれは恐怖だったよ。本当に良い時期でなかったね。それが過ぎ去ってくれ、うれしく思っている」
――オーストリア代表では攻撃的MFなのに、ペップのもとでは守備的MFやサイドバックなどいろいろなポジションに起用される。
「センターバックもあるよ。もし2年前にそう指示されていたら、『できるわけない』と、言っていたと思う(笑い)。でも複数のポジションができることは、デメリットにはならない。僕の望みは、できるだけ多くの試合にでること。どのポジションかは、比較的どうでも良いんだ」