ネットで資金、空き家改修…島根・津和野 | 国際そのほか速

国際そのほか速

国際そのほか速

ネットで資金、空き家改修…島根・津和野 
  • インターネットで集めた資金を元に改修が進む空き家(津和野町で)
  •   移住者を呼び込もうと、島根県津和野町左鐙(さぶみ)のNPO法人「さぶみの」が、インターネットで募った資金で、空き家の改修を始めた。

      計706万5000円を国内外から集め、約20年間無人だった空き家のトイレや風呂場などを改修する。子供連れの家族の移住を促し、統廃合計画が浮上している町立左鐙小を存続させたい考えだ。

      同小の児童数は6人で、「将来にわたり、児童数が16人以下と見込まれる」とする町教委の統廃合基準を下回っている。町教委は今春にも統合の是非を判断する方針で、児童数を増やそうと、移住希望者がすぐに住める住宅を確保することにした。

      資金集めは、ネット上で事業を提案、賛同者から寄付を募る「クラウドファンディング」を活用。2013年春に茨城県から転入してきた卒業生の鈴木智也君(12)=町立日原中1年=が中心となって昨年10月中旬から2か月間、支援を呼びかけた。結果、延べ232人から目標より100万円以上多く集まった。

      改修するのは木造平屋と同2階建ての2棟。床が抜け落ち、台所が土間だったり、トイレが屋外にしかなかったりするため、簡易水洗トイレにするなどして4月からの入居に備える。

      寄せられた資金のうち、支援への“お礼”として贈るオリジナル手ぬぐいなどの経費や手数料を除く約560万円と、住民の出資金などを改修に充てる。

      町も同地区に、25年間住み続ければ入居者に敷地ごと無償譲渡する「つわの暮らし推進住宅」2棟を建築している。首都圏などからの移住が決まっており、2015年度の児童数は8人になるという。

      鈴木君は「多くの人の協力でお金が集まり、改修につながってうれしい。子育て中の人に住んでもらい、左鐙の良さを知ってほしい」と願う。同法人の益成典子理事長(62)も「空き家を活用して学校を守り、古里として左鐙に愛着を持ってくれる子供を増やしたい」と話した。

      入居者は募集中で、家賃は月1万6000~1万8000円程度を見込む。問い合わせは同法人の京村まゆみさん(090・4578・8987)へ。(熊谷暢聡)