
- イラスト・藍原真由
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「お祈りメールを30通余りも、もらってしまいました」
落ち込んでいる4年生の女子が、相談にやってきました。「お祈りメール」とは、不採用を知らせる企業からのメール。「今後のご活躍をお祈りしています」と結ばれていることが多いため、そう呼ばれています。
彼女は会社説明会が始まった昨年12月以降、半年以上たった今も志望企業の内定が得られず、30社以上から採用を断られたことになります。私は「よく頑張ってきたね」と、彼女に言いました。女子の就職活動は、男子より「長期戦」になる傾向があり、それに耐えてきた努力をたたえてあげたのです。
最初に選考が始まる大手企業の総合職は、男子の採用が優先されがちです。女子を積極採用するケースが多い中堅企業や中小企業、一般職の選考は遅れて始まりますから、それだけでも女子の就活は長くなります。
お祈りメールが増えると、自信をなくし、うつむきがちになり、面接で好印象を与えられなくなる悪循環にも陥ります。
長期戦に対処するにはペース配分が必要です。今は、毎日、がむしゃらに会社を回る時期でもありませんから、たまには、気分転換になる場所に遊びに行くのもおすすめです。
鏡を見て顔が上を向くようになっていたら、気分を立て直せた証拠。次に向かいましょう。「お祈りメール」は「他の会社のほうがあなたに向いている」というアドバイスだったと思える日が来ますよ。(ハナマルキャリア総合研究所代表)
(2014年7月8日の読売新聞朝刊に掲載)