託児所付きオフィスが味方 | 国際そのほか速

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託児所付きオフィスが味方 
  • エンマちゃんとオフィスを利用するマストロヤンニさん。奥が託児所になっている
  •   ローマで託児所付きの共有オフィス「アルベアーレ(蜂の巣)」が今年9月に開設され、話題を集めている。

      ビジネスを起こしたり、仕事を探したりする子育て中の女性に事務所を提供し、社会進出を促す試みが受けている。

      「娘の様子を見られるから安心」。パソコンで職探しをしていたモニカ・マストロヤンニさん(32)が笑顔を見せた。所在地名などから命名されたアルベアーレでは、仕切りのない部屋に大きな机が置かれ、利用者は好きな席に座って作業を行う仕組みだ。

      マストロヤンニさんは、ラジオ局で働いていたが、育休中に運営難で局が閉鎖された。「家にこもっていると気がめいる」という理由で、5時間で35ユーロ(約4900円)を払い、アルベアーレに通い、隣室の託児所に10か月の長女エンマちゃんを預けている。

      ユーロ危機に見舞われたイタリアでは、個人事業主らを対象にした共有オフィスが増加し、その数は全国に約500か所。最近は夫婦の共働きが増え、保育所が足りないため、託児所を併設したアルベアーレに問い合わせが相次いだ。

      運営団体のシンディ・フォルニーノさんは「働く女性を助ける場所にしたい」と話した。職種を超えた交流も広がっているという。 (ローマ 青木佐知子、写真も)