JT、飲料事業から撤退へ…「桃の天然水」など | 国際そのほか速

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 日本たばこ産業(JT)は4日、清涼飲料水「桃の天然水」などを製造・販売してきた飲料事業から今年9月末をめどに撤退すると発表した。

  たばこ販売が世界3位の同社にとって、飲料事業は多角化の象徴だったが、激しい国内競争で存在感を高めることができずに撤退に追い込まれた。

  同社は缶コーヒーの「ルーツ」や緑茶の「辻利」などを製造・販売し、2013年度の販売数量は約3268万ケース、業界で10位だった。2014年3月期の飲料関連の売上高は前期比0・5%減の1845億円となり、販売競争の激化で販促費がかさむなどして21億円の赤字に転落していた。大久保憲朗副社長は記者会見で「下位メーカーでは小売店での販路拡大が難しく競争環境が厳しくなった」と撤退理由を説明した。自動販売機の運営事業は残す。

  JTの14年3月期連結決算(国際会計基準)の売上高は2兆3998億円にのぼる。英ギャラハーなどを買収して海外販売を拡大した、たばこ事業が1兆9803億円と8割以上を占める。飲料は1845億円で約8%を占めている。