一足早く260キロ体感 「W7系」一般試乗会 | 国際そのほか速

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一足早く260キロ体感 「W7系」一般試乗会 

ぐんぐん加速興奮

 

  3月14日の北陸新幹線開業を前に、新型車両「W7系」の一般試乗会が7日、金沢―長野間(228キロ)で始まった。8日まで計4往復し、倍率77倍の抽選で選ばれた計2800人が乗車する。初日は約1400人が最高時速260キロを体感し、車窓から日本海や立山連峰などの雄大な自然を満喫した。充実した車内設備などの評価も高く、参加者は一様に興奮気味だった。

  • 北陸新幹線試乗会に参加した家族連れら(7日、JR金沢駅で)
  • 立山連峰を望む晴天の中で行われた北陸新幹線の試乗会(7日、富山市桜町で)
  •   7日は、JR金沢駅から午前10時10分発、長野駅から同10時42分発でいずれもW7系が両駅間を往復した。富山駅でのみ1分間停車した。

      このうち、長野駅を出発した便は正午前に金沢駅に到着。折り返して出発するまでの約30分間に、ホームの柱を彩る金箔(きんぱく)や九谷焼、輪島塗などの伝統工芸品が並ぶ中2階の待合室を観賞した。東京都江東区、会社員吉田瑛子さん(32)は「工芸品がきれいに飾られ、おしゃれな駅。もっとゆっくり見たかった」と開業後の再訪に期待した。

      長野で折り返して金沢に戻った地元参加者らは、長野までが一気に近くなったことを実感した様子だった。

      富山市西荒屋、公務員永田賢治さん(41)は「ぐんぐん加速するスピード感がすごかった。(最高時速の)260キロが車内アナウンスで流れた時は気分が盛り上がった」と振り返った。

      

    手を振り歓迎 PR動画撮影

     

      

    のぼりで祝い 「富山」のパネル 横断幕に新幹線

     

      県などは7日、北陸新幹線の一般向け試乗会に合わせ、新幹線開業を県民が歓迎するPR動画の撮影を県内各地で行った。新幹線の駅近くの公園などに集まった親子連れや家族らは県内を走り抜ける新幹線に笑顔で手を振った。

      沿線住民が祝福する動画は2011年の九州新幹線の全線開業時に動画投稿サイトなどで話題になったことから、県とJR西日本が企画した。映像制作会社「タカオカンドリーム社」(高岡市)の市川徹監督が制作を手がけ、県内の撮影は先月から始まった。

      今月8日で撮影を終える予定で、完成した動画は3月上旬に動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する。県などは首都圏で開く観光イベントなどでも使用する予定だ。

      晴れ間が広がったこの日、黒部市若栗の黒部宇奈月温泉駅前の道路には、同市など県東部の住民ら約250人が集結した。「ようこそ黒部宇奈月温泉駅へ!」と書かれたボードや開業を祝うのぼりを手に新幹線を待ちかまえた。

      午後0時20分頃、新潟方面から来た北陸新幹線の新型車両が同駅を通過すると、住民らは両手を大きく振ったり、飛び上がったりして、新幹線を出迎えた。同市飛騨、主婦開敏子さん(75)は「新幹線が走るのは夢のようなことだと思っていたが、走る姿を目の当たりにして感激した」と話していた。

      JR富山駅近くの富山市桜町の「地鉄ビル」屋上には、富山地方鉄道の社員や旅行会社の社員ら約70人が集まった。午後0時半頃に同駅に新幹線が近づくと、観光用ポスターを掲げたり、「富山」と書いたパネルを左右に振ったりして歓迎した。

      富山地鉄の市田薫さん(28)は、生後3か月の貴人ちゃんを抱いた妻裕子さん(28)と一緒に駆けつけ、「あと少しで開業すると実感した」と笑顔を見せた。

      高岡市佐野の「高岡おとぎの森公園」には、市などの呼びかけで正午頃に市民ら約300人が集まり、事前に手を振るタイミングなどを確認した。午後0時40分頃、青空の下を新幹線が駆け抜けると、参加者は「おーい」と声を出しながら、新幹線を描いた横断幕などを掲げて手を振った。

      家族で参加した同市二塚の小学3年佐々木大雅君(9)は「手を振るのは少しだけ恥ずかしかったけど、早く乗りたい気持ちになった」と話していた。

    • 黒部宇奈月温泉駅を通過する新幹線に手を振る黒部市民ら(7日、黒部市若栗で)
    • 新幹線に向かって手を振る富山地鉄社員ら(7日、富山市桜町で)
    • 新幹線に手を振る子供たち(7日、高岡市佐野で)