
11日、副知事を辞職した内堀雅雄氏(50)は出馬会見で、「私が一番、政策の継続性や佐藤知事の気持ちをわかっているつもりだ」と述べ、佐藤県政の承継を目指す立場を鮮明にした。一方、自民党本部に推薦を見送られ、出馬を断念した元日本銀行福島支店長の鉢村健氏(55)は「支援者らが離れ戦えない」と無念の思いを語った。
内堀氏は11日午後、副知事を辞職。その後、福島市内のホテルで出馬会見した。2001年に総務省から福島県に出向して以降、同県での生活が13年に及んでいるとし、「生まれ育った長野での12年より長くなった」と強調。福島への「郷土愛」から出馬を決断したと話した。「オール福島という旗の下に集まる方と共にやりたい」として、政党からの推薦は受けない考えを示した。
一方、11日夕、福島市で記者会見した鉢村氏は出馬断念の理由を「県民の分断を広げないため」と語った。ただ、自民党本部の推薦見送りなどで支援者や団体が離れ、「手足をもぎとられた」状態になったとも説明し、不本意な決断だったことをにじませた。一度は擁立に動きながら、党本部の意向に従うとしている同党県連については「信頼関係は崩れた」と冷ややかに話した。
同党県連の幹部は11日、鉢村氏の出馬断念を聞くと、胸をなで下ろした。鉢村氏が立候補すれば、同党県連への批判が収まらないと考えていたためだ。今後、内堀氏支援への調整を急ぐという。内堀氏については、民主党県連なども既に支援を決めているほか、公明党県本部も支援する方向で、与野党で内堀氏を支える形になる可能性が高い。
知事選を巡っては同日、郡山市の医師吉田孝司氏(36)が立候補をやめると話した。ほかに福島県出身の前岩手県宮古市長、熊坂義裕氏(62)らが出馬表明している。