安倍首相の経済政策「アベノミクス」をどう評価するのか。
13日に選挙戦最終日を迎えた衆院選で、各党の党首らは支持を求め、最後まで全国各地を駆けめぐった。自民、民主、維新、公明の4党首らは、いずれも東京都内の主要駅前での街頭演説で、師走の12日間の戦いを締めくくった。有権者の審判は14日に下される。
◆自民◆
自民党総裁の安倍首相が最後の訴えを行った東京・秋葉原は、「サブカルチャー」の聖地とされる。街の「主役」の若者に加え、この日は日の丸を手にした多くの年配者が集まり、駅前ロータリーを囲んだ。
公示日と同じ白いコートを着て現れた安倍首相は「景気回復の温かい風をお届けしていくことが私たちの使命」と力を込めた。
東京都江戸川区の主婦、鈴木英里さん(41)は「アベノミクスの影響はまだ感じない。夫の収入も上がらないが、政権が続けばきっと収入も上がると信じている」と話した。
◆民主◆
民主党の海江田代表は、自身の選挙区でもある新宿駅西口で最後の訴えを行った。買い物客らでごった返す駅前ロータリーにスーツ姿で現れた海江田代表は、両手でマイクを握りしめ、党代表として党の政策を訴えながら、「東京1区にお住まいの方はこの海江田万里を」と声を張り上げる場面もあった。
宇都宮市の会社員高橋聡さん(54)は「安倍政権の批判より、党の政策を聞きたいと思ってきたので、非正規雇用問題についての考え方が聞けて良かった。派遣社員にも働きやすい環境を作ってほしい」と語った。
◆維新◆
維新の党の江田共同代表が最後の訴えを行った渋谷駅のハチ公口前は、多くの若者が行き交う。コート姿で選挙カーの上に乗り、マイクを握った江田氏が「しがらみがないからこそ国民本位の政治ができる」とアピールすると、聴衆から励ましの声などが上がった。
演説を聞いていた荒川区の女子大学生(23)は「演説の内容をよく考えて、どの党に投票するか決めたい」。埼玉県八潮市の会社員石井啓介さん(38)は「巨大与党に対抗できる野党の再編が必要だと感じている。維新には、その中心となってもらいたい」と話した。
◆公明◆
池袋駅東口でこの日最後の街頭演説をした公明党の山口代表は、駅前のロータリーに止めた選挙カーに候補者とともに上がった。歩道に多くの支持者が詰めかける中、山口代表は2年間の与党としての実績を強調し、「どうか勝たせてください」とこぶしを振り上げた。
演説を聞いていた豊島区の会社員、桜井広美さん(32)は「まだ全体的に経済が潤っているとはいえないと思う。自分が勤めるような中小企業でもアベノミクスの恩恵が感じられるように、連立与党としての役割を期待したい」と話した。