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共感持った接客を広げたい 

ショッピングセンター業界の人材育成に本腰 篠原一博さん

 

  •   「お客様にいつまでも支持され、愛されるショッピングセンターづくりを支えたい」

      日本のショッピングセンター(SC)は全国に3千を超え、売上高は推計約28兆9000億円と日本の小売業全体の5分の1程度を占める。SCはテナントの編成によってマーケットの変化に柔軟に対応できる強みがあり、全体の売り上げは堅調だ。日本ショッピングセンター協会の専務理事として、業界の人材育成に正面から取り組んでいる。

      1月21日から23日にパシフィコ横浜で開催の第39回日本ショッピングセンター全国大会で、学生たちに業界全体に興味を持ってもらおうと、経営母体の異なる各社が集うSC業界研究イベントを開く。また、SC接客ロールプレイングコンテスト全国大会も実施。時間内で顧客役の俳優を相手にお迎えからお見送りまでの接客の技を競うものだ。

      SC協会は、SCを開発・運営するディベロッパーの事業者向けの人材育成に長年取り組んできたが、顧客との直接の窓口となるテナントスタッフのバックアップ強化に乗り出している。2015年度から接客技術のレベルに見合った資格を設ける「SC接客マイスター(仮称)制度」を始めるのもその一環だ。

      三菱商事出身。旧国鉄の分割・民営化後に事業の多角化を進めるJR東日本への出向が転機となった。駅ビルなどに関わり、商売では、相手の気持ちでモノを売るのが肝心だと悟る。

      「相手に興味を持って共感していく。人間が好きな人にはやりがいのある仕事」と、SCで働く魅力を説く。「時代や環境が変わっても、直接お店で買う楽しみは変わりません。接客の楽しさをより多くの人に味わってもらいたい」

     しのはら かずひろ

      1969年、東京大法学部卒業、三菱商事入社。89年、東日本旅客鉄道(JR東日本)に出向。流通事業部長、ルミネ常務などを経て、2007年、横浜ステーシヨンビル社長。11年5月、日本ショッピングセンター協会専務理事。

     <一般社団法人日本ショッピングセンター協会>1973年設立。国内のSC数は3174施設(14年末現在)。92年度にリーダー育成を目的に経営士制度を設け、07年度からビジネススクール「SCアカデミー」を開講。