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富山空港、着陸料収入半減へ ◆羽田便小型化で赤字拡大

  全日空が北陸新幹線開業後の3月下旬から、富山―羽田便の機体を小型化する影響で、富山空港の着陸料収入がほぼ半減する見通しだ。県の空港運営では、現在も毎年約1億円の赤字が生じており、さらに拡大することが避けられない。県は編成中の新年度当初予算案に、空港利用の活性化策を盛り込む方針だが、新幹線開業後も空港の利便性確保のためにどこまで税金を投じるか、難しい判断を迫られる場面も出てきそうだ。

  県総合交通政策室によると、着陸料は機体の重さや騒音の程度によって算出するが、おおむね飛行機の座席数に比例する。全日空によると、3月29日から1日6往復の羽田便の主力を167席(一部166席)の「ボーイング737―800」に変更することで、座席数は前年同期比で45%減少する。

  県は2011年度以降、空港の収支を「設備投資の有無によって振り幅が大きい」ことなどを理由に公表していない。直近で公表されている10年度収支をみると、着陸料収入は3億7200万円。国の補助金4400万円なども合わせ、計4億9600万円の収入があった。これに対し、支出は空港維持運営に4億9600万円、空港整備事業に6800万円など計6億400万円に上り、1億800万円の赤字だった。

  県の担当者によると、収支はその後も、ほぼ横ばいが続いている。県は赤字分を、空港の人件費などと一緒に予算計上して穴埋めしているが、ドル箱路線だった羽田便の小型化で、着陸料収入が減り、赤字がさらに膨らむのは必至だ。

  全日空は新幹線開業後、羽田便の利用客が半減するという予測を立てている。県はこうした激変を見据え、既に羽田便の利用者に対する支援事業を行っている。昨年11月1日~今年3月31日にかけて、羽田便を5往復利用すると、5000円分の旅行券がもらえるキャンペーンを実施したり、羽田便経由で国際線に乗り継いで国際交流などを行った企業に1人5000円を助成したりしている。

  石井知事は1月29日、全日空の篠辺修社長と会談した際、「羽田便が維持できるよう新たなこともやってみたい」と意欲を見せているが、利用実績に結びつくかどうかが問われることになる。