100円朝食、ブロガーレシピ…食育は学食で | 国際そのほか速

国際そのほか速

国際そのほか速

100円朝食、ブロガーレシピ…食育は学食で 

食への関心アップ、生活習慣整える

 

  • 成城大の試食会で好評だった焼肉ドリア(手前)、ユーリンチー(奥右)
  •   大学の学生食堂(学食)を通じ「食育」に取り組む動きが目立っている。

      栄養のバランスを考えたおしゃれな料理を出すことで食への関心を高めたり、食を通じた異文化体験を目指して各国の料理を提供したりと、様々な特色づくりが進んでいる。

     

    「焼肉ドリア」…おしゃれに栄養バランス

     

      ボリュームたっぷりの「焼肉ドリア」、揚げた鶏肉にサラダを添えた「ユーリンチー」――。成城大(東京都)は今月8日、インターネットで人気の料理ブロガー、山本ゆりさんのレシピを基にした料理を提供し始めた。

      同大で一人暮らしの学生は約3割で、生活費を切り詰め、きちんと食事をしない学生もいる。同大は「見た目がおしゃれで、栄養バランスも良い料理を出せば、もっと学食に来てくれるはず」と、山本さんのレシピ集を出版した宝島社と提携し、新メニューを作った。価格は400円前後が中心。7月末まで、2か所ある学食で計約40品を日替わりや週替わりで提供する。

      2日の試食会に参加した法学部4年の宮下愛理さん(21)は「おいしくて、体にも良さそう」と満足げだった。

      山本さんの料理は、手頃な価格の食材で簡単に作れるのが特徴だ。気に入った料理があれば、学食に置かれたレシピ本や、山本さんのブログで作り方を確認することもできる。山田泰史企画広報課長は「これをきっかけに食への興味を高めてほしい。調理にも挑戦してもらえれば」と期待する。

     

    「朝食抜き」防止…父母の会が差額負担

     

      朝食を低価格で出す学食も増えた。立命館大(京都市)は昨年12月から、始業前に100円で朝食を提供。本来は260円だが、父母の会が差額を負担している。

      100円朝食は京都産業大なども実施しており、聖学院大(埼玉県)は今年から4月限定で始めた。白鴎大(栃木県)では、5月2日まで無料。年度始めのうちに、朝食を抜きがちな学生に朝型の生活習慣を身につけてもらうのが狙いだ。

     

    アジア料理で異文化体験

     

      神田外語大(千葉市)は今月、3か所ある学食の1か所を改装し、「アジアン食堂」を開設した。中国、韓国、タイ、ベトナムなどの料理を、1品200~400円程度で提供。屋台風のテーブルや象の置物など、異国情緒も演出され、本場の味と雰囲気を求める学生でにぎわう。

      英米語学科1年の芳賀香菜子さん(19)は「インドネシアの焼きそばを初めて食べたが、おいしかった。様々な国の料理を味わいたい」と楽しそう。

      同大には、各国の住居を再現し、民族衣装を着るなどして異文化を体験できる施設もある。新食堂と併せ、「衣食住」による異文化理解を進める。

      同大は外国人教員による料理教室も予定。近隣住民に食堂を開放する計画もある。酒井邦弥学長は「食を通じて異文化への関心を深めてほしい」と話す。(石塚公康)