
入居者には消防団への加入や盆踊りへの参加など、地域に溶け込み、活性化に一役買うことを条件にする。県過疎対策課は「県内でも初めての取り組みだろう。定住にどれほど効果を発揮するか注目したい」としている。
住宅は、同町初湯川、三十木、山野の住宅地にそれぞれ1戸ずつ建築しており、入居予定時期は4月。いずれも木造2階建て94平方メートルの3LDKで、夫婦と子ども2人を想定したファミリー向けの間取りになっている。家族連れが望ましいが、将来の結婚と町内への定住の意思があれば、今は独身の人でも構わない。
入居に際しては、「地域活動への参加」も条件にしている。明文化はされていないが、町は、消防団への加入や地域の祭り、清掃活動への参加などを求める考えという。
提供されるのは市場価格で1500万円程度の住宅。購入時期が早いほど、割引額が大きくなる制度を取り入れ、例えば、入居2年後に買う場合、建築費約1500万円から、2年分の家賃計120万円と約130万円の割引額を差し引いた約1250万円が建物の値段となる。
土地は、県の地価調査基準値の標準価格を参考に決める。入居からおおむね5年以内の購入を条件に、それまで家賃月5万円、敷金15万円で借りることも認める。すでに入居の申し込みを受け付けており、期限は2月27日まで。地域の代表者や町職員らでつくる選考委員会が審査する。
同町の人口は1万453人(昨年末現在)で、旧3町村が合併した2005年に比べ1000人以上減っている。町は今回の促進策を導入するにあたり、同様の施策を始めている愛知県豊根村を参考にした。同村では原則40歳以下を対象に手頃な価格で販売する住宅5戸を用意し、名古屋市などからの移住で3戸の入居者があったという。
日高川町企画政策課は「若い世帯に町に根付いてもらうため知恵を絞った。自然豊かな町なのでぜひ移住を検討してほしい」と呼びかけている。問い合わせは同課(0738・22・2041)へ。
(山本啓二)