
居住者の心拍数や血圧、室内の湿度や温度などを計測し、寒暖差で血圧が急変して失神などを引き起こす「ヒートショック」や熱中症の危険性を事前に警告する。人口減などで住宅着工が伸び悩む中、健康に暮らせる住宅で需要を掘り起こす。
居住者の左胸に貼ったパッチ型のウェアラブル端末(長さ11センチ)や、各部屋に設けたセンサーなどから、無線で自動的にデータセンターへ情報を送る。
リビングと脱衣所の温度差が激しい時、高血圧の人のタブレット端末に「ヒートショックに注意」と警告文を表示する。夏に室温が高い場合は「熱中症の危険あり」などと警告する。
実証実験は昨年12月、65歳以上の高齢者ら100人を対象に始めた。今年12月に結果を検証し、早期の事業化を目指す。
東京都健康長寿医療センター研究所によると、ヒートショックで死亡した人は全国で約1万7000人(2011年)と、交通事故死者の3倍を超えた。夏場は熱中症で倒れる高齢者が続出し、自宅で死亡につながる事故も増えている。