ある人のツイートをみたのですが、

人間というのは自分がコントロールしやすい人だけかわいがる習性があるのだそうです。

 

…たしかに。

 

誰だって自分の言うことを肯定してくれてなんでも言うことを聞いてくれる人がかわいいと思いますよね。

 

でも、たとえば子育てをする機会がある方はイメージしやすいかもしれませんが、世の中そう簡単になんでも自分の思い通りにはなりません。

こどもが言うことを聞かない、ということだけではなく、独身の時は自分の時間があったのに自分の思うとおりに時間が使えなくなったり、こどもを産んだとたんに職場やプライベートの友人が今までのようには付き合ってくれなくなってしまったり(こちらも付き合えなくなったり)します。

そしてもちろん、職場ではたくさんの価値観を持った人がいますから、自分の意見を否定する人もいるでしょう。否定されたらやっぱり嫌いだな、と思う人は多いだろうし、イエスマンがいれば気分がよくなるのも当たり前です。

 

そして多くの男性は「都合のいい女、かわいい女」をそばにおきたがります。

 

今回の電車での刃物を振り回した男性。

幸せそうなカップルや女性をみると腹が立つ、たくさんの人間を刺せるから電車で…と言っているとニュースでみました。

 

どうやら女性から冷たくされたり、自分が優位にたてなかったことを根にもっていたようですが、そもそも女性だって人間ですから、きちんと自分を主張して当たり前です。たしかに美しい人はそうでないひとよりも恩恵は受けていると思いますし、そうでない人の気持ちがわからない発言をする人も中にはいますが…。そうでなくても自分の思い通りの返事が返ってこないことなんて、たくさんあります。

 

自分の優位にたちたい、という欲求をかなえてくれる人だけを望み、それ以外の反応をする人を徹底的に嫌ったり、悪口を言ったり、傷つけようとするいうことは、そうすることで自分の存在価値を守ろうとしているのかもしれませんし、ある意味、自立が出来ていない、と言えるかもしれません。自分の成長を望むより、現状維持、もしくは堕落しようとも、それを認めてくれる相手が欲しいと思っているのですから。

 

自分の優位にたちたいという欲求…でわかりやすいのは、男尊女卑の考え方ではないでしょうか。

この考えは近世になってからということらしいと何かのコラムで読んだことがあります。

 

近世以前は、男性は男性の出来ること、女性は女性の出来ることがあって、それぞれが補い合ってよりよいものをつくりあげていっていたのが、いつしか男性の言うことは絶対、領主の言うことは絶対、言うことを聞かない奴はよろしくない、とすりかえられてしまいました。

 

ここへきて、年齢性別人種などの差別をなくしていこう、と声をあげられる環境が出来ては来ましたが、まだまだそれが認められない人たちがたくさんいます。若い美しい女性ばかりを愛でる人たち、メダルをかじってしまった人、女性が多いと会議が長くなるといってしまった人、社長の言うことを聞かずに接種した人は会社にくるなと言っている人、それをいさめられない人たちなど…そういう人たちのほうが社会には多くいます。

 

自分が優位にたてるように相手を論破したり、中にはうそをついて責任逃れをしたり、腕力で相手をコントロールして、自分の言うことをきかせて、好き勝手に生きる人もいますが、相手のことを全然考えていないなと見ていて悲しくなることもあります。

 

世の中が変わっていくのは時間がかかりますし、忍耐強く声をあげていくしかありませんが、変わっていくことは、上記にあげた人たちにとっても、少なからず住みやすい影響になるのではないかな、と思っています。その人たちもいずれ、役職もなくなり、老いたひとりの人間にもどらなくてはならない時が来るのですから。