あるお医者さまが、
この間なくなられた
フリーアナウンサーの方の
在宅介護について書いていました。
そのお医者さまが、
多数目にしたコメントは
彼女だからこそ
在宅介護が受けられたのだ、
という内容だったそうで、
それを受けて、
そのお医者さまは、
ケアプランの中で、
医療はきちんと受けられるから
ご家族がそばにいられるのなら
在宅介護は受けられますよ、
と書いていました。
はい、そうです。
だけど、そばにいられないのです。
お金がないから。
在宅介護で、
介護保険が使えるからといっても
お金はかかります。
常にそばにいないと
いけない状態だとして、
もしもそばにいるとしたら、
介護者がこどもひとりだったら
どうしたらよいのでしょう。
仕事もままならず、
どこからお金が入ってくるでしょう。
みんながみんな、
ヘルパーさんを頼めるだけの
余裕はありません。
私の知っている患者のご家族は
介護を出来る家族が
ひとりしかいなくて
常にそばにいないといけない状態で
仕事をやめるしかなくて、
貯金を切り崩しながら生活し、
あと、何年介護が続くのか、
その前に貯金がつきて
自分の老後に回すお金が
なくなってしまうかもしれない、
生きていけないかも、しれないと
嘆いていらっしゃいました。
お金があって、
お手伝いさんを雇うことが出来たり、
家族や、一門の方など、
交替で介護をしてくださる方や、
育児をしてくださる方がいればこそ
在宅が出来るということを、
そのコメントを書いた方々は
言いたかったはずです。
そんな簡単に、
家で看取る、なんてことは
出来ないんです。
介護ベッドを入れたら、
部屋がいっぱいで、
他のもちものが置けないくらい、
狭いところで暮らしている人のほうが
多いのです。
核家族で、
働き手と介護者が一緒で、
ろくに睡眠もとれずに
頑張っている家族がいるんです。
国としては、
在宅介護に切り替える方向へ
向かっているようですが、
患者様の願いを叶えたいけれど、
家庭で看取りたくても
それが出来ない人たちが多いことを
知っておいてもらいたいなと
思っています。
