このPVに関しては、今朝の放送を観るまでは内容のコンセプトや構成などの前知識は何も得ることができなかった。
唯一、何冊か出ている雑誌のひとつに「韓国と同じになるかどうかは・・・ヒミツです(笑)」という、ジュンスのいかにも秘密めいた控え目なコメントを目にしただけ。
放送の前日、S氏(当時のavex、A&R担当者)の「是非ご覧ください」という、これまた控え目でありながら自慢気な(?)告知からも察しがついたが、このPVにはかなり力が入が込められているらしく、これを観たファンの反応を楽しみで仕方ない風であった。
そもそも映像云々以前に、アルバムの楽曲の日本語詞については我々ファンから賛否両論(というか、どちらかというと「否」が圧倒的?)の感想が多数出ていたことに加え、本国オリジナルのMVが非常に手の込んだ完成度の高いものであるだけに、「あれ以上の作品が出てくるはずはない」と、いくら新しく作られる日本語バージョンといえどもはじめからあまり期待は持っていなかった。
そんな、良い意味で緊張感もさほどなく、しかしながら今回の大きなキーポイントとなる「ジェジュンのダンス完全復活」をファンとして何よりも楽しみにしつつ臨んだこのPV初視聴。
・・・はっきり言ってド肝を抜かれた!そう出たか・・・思いもよらぬ方向性に完全にハートを打ちのめされた!脱帽だ!
日本では他国に比べ、概して「可愛らしさ」や「爽やかさ」がモテはやされる傾向が強いとあって、東方もどちらかといえばご多分に漏れずその線でコンセプトがまとめられていた感があったと思う。
よって、日本デビューで東方を初めて知った一般日本人の間で「若手コーラスグループ」というイメージが広まってきたらしきことは、今まで出演してきた各種TV&ラジオ番組などでの紹介でもわかる。
現に、本国ファンにも日本の「あくまでも爽やかさを重視」したコンセプトという概念がある程度植え付けられていることもインターネットで感じる。
その一方で、先日の名古屋でのイベント席では、ステージを共にした日本人アーティストのファンの一人に「東方神起は、ほとんどいつも“アカペラ”が主体なのか?」とも聞かれたこともある。
それが、今回の“Rising Sun”にてそのイメージは一気に覆され、一挙に方向転換か?!とも思わせるほどの意外な展開。
一言で言えば、全体的にシリアスな中に男臭さと力強さを感じる本国オリジナル版に対し、日本版では現代の若者の生態に重きを置いたストリート感覚溢れる背景にメンバーそれぞれに今までにないキャラクターを加味し新鮮さを出したようだ。
また、特殊効果を施し、ちょっぴりコミカルな部分も取り入れたらしい。
全体をコミカル風にまとめてしまうと単なるパロディーに終わってしまうところを、ちょこっと加減がちょうど良いスパイスになっているように思う。
特にこのPVに感じたのは、 まさにユノが主人公であるということ。
もともとユノのダンスが映えるこの曲だが、単にダンス面を強調するに留まらず、前作シングルの『明日は来るから』に引き続き、日本の監督さんはどうしてもユノにソロで特別な演技を与えたかったらしい。
マイペース風でちょっとコミカルっぽくもあるのに、なぜか強く哀愁を漂わせるキャラクター。
最後の部分で、あの展開はすべてユノ扮するしがないストリートパフォーマーが抱いていた夢か妄想だったのだろうか?という結末を想像させるようなオチになっているのがニクイ。
あのパフォーマンスすべてが正真正銘、現実の東方神起そのものであるのに、ユノの巧みな演技がなぜかそれを幻想かと錯覚させる。
冴えない孤独な、しかしけっして暗くはないパフォーマーの仕事上がりの身支度姿が切なくも現実の厳しさを上手く表現しているような気がする。
とにもかくにも、残念なことに韓国ではとうとうジェジュンのダンスなしで完成された‘Rising Sun’のMV。
あれから月日は流れ、怪我が完治してからの撮影となったのだから当然なのだが、本国では伝説と化したジェジュンの踊る姿がまさに日本のPVで実現し、日本ファンとして今はかなり優越感に浸っている。
そしてこのPVこそは、メンバーの酸いも甘いも知り尽くしている(?)我々ファンよりも、日本の一般視聴者、そして何よりも本国ファンに観ていただき、その反応/感想も知りたいと強く思っている。
「“爽やかさ”なら任せとけ」の日本に於いても、このような雰囲気だって出せるんだぞ、と豪語したい気持ちでいっぱいである。
このような素晴らしい作品に仕上げてくださった監督さんに感謝するとともに、携われたスタッフの方々、そして何よりも頑張ったメンバーたちにお疲れ様と心から言いたい。