(37)似た作品を分析に適用することは可能?
Q:
・ある作品を分析するときにその作品と似た要素をもった作品を分析し、
得られた解釈をもともと分析しようとしていた作品にあてはめて考察
することは可能か?
それは一般的に使用されうる方法なのか?
A:
非常に一般的な話をすると、似ている対象に適用される解釈を、
他の対象の分析に適用するというのは、よくある手法だと思います。
カテゴリー化の判断などに関しても、
従前の経験から構築された枠組みをもって新たな対象を捉える
というのが、人間の基本的な認知能力のあり方のようです。
それはそれとして、
質問の趣旨は、物語や表象の捉え方に関してだと思いますが、
他の作品から得られた解釈を適用する手法がどこまで有効かは・・・
よくわかりません。
もちろん、よい手法だと思いますし、
制作者が意図的に他作品を念頭に置いている場合には、
きわめて有効な手段だと思います。
また、制作者が意図しているかどうかはともかく、
たまたま自分が知っている作品とよく似ている、という場合にも、
有効な分析手段だと思うのですが、
その手法のみにこだわってしまった結果、恣意的な解釈につながり、
メッセージを誤って捉えてしまう、という可能性があることは、
意識しておくとよいのではないでしょうか?
(投稿者、タナカ)
(36)多様な色のイメージは?
Q:
・CMの分析で、「カラフル=元気さ」と多くの人が認識しているが、
どうしてそう認識されるのかが疑問だった。
A:
色彩のイメージは人それぞれで、必ず一定の解釈があるもので
なくてよいと思います。
そのうえで、あえて言うとすれば、
たくさんの色があることで、モノトーンの場合に比べ、
「にぎやか」というイメージにつながるような気がします。
そしてそこから、→「活発さ」→「元気さ」という連想が働くのでは
ないでしょうか?
多様な色彩があるということは、きっと多様な要素があるということで、
それらがどのように配置されているかなども、
イメージの形成に関係しているのだろうと思います。
(投稿者、タナカ)
(35)ウィキペディアからの引用は可能?
Q:
・ウィキペディアからの引用は可能なのですか?
正しい情報とは限らないのでは・・・
A:
正式な論文や官庁の報告書などでは、
ウィキペディアの引用を許さないところもたしかにあるようです。
ただ、題材や分野によっては、過去の事例を調べようと思うと、
ウィキペディアしか取りかかりがないものもあるように感じます。
そういう場合には、ウィキペディアを参照するのも、
取りかかりとしては、ひとつの手だろうと思います。
※ただし、これはルールの問題なので、
ウィキペディアの引用が許されるかどうかは、
最終的には場面ごとに責任者に確認するしかないでしょう。
気をつけるべきは、質問者の方が言うように、
「正しい情報とは限らない」という姿勢で臨むことだと思います。
そのためにも、ウィキペディアに限らず、
引用を行った場合には、必ず引用先が分かるよう明記することが
必要だと思います。
そのうえで、読む人が信頼度を判断すればいいのでは?
ちなみに個人的には、ウロおぼえの記憶を確認するためなどに、
ウィキペディアを参照はしますが、
やはり内容が正しいと確信がない限り、引用はしないようにしています。
(投稿者、タナカ)
(34)イメージを限定する方法は?
Q:
・送り手が受け手に与えるイメージの限定の方法というものは
あるのでしょうか?
A:
連想や自由な解釈を許さないという意味で、
たとえばですが、
・そもそも最低限の情報しか提示しない
・他の意味に解釈されないよう、厳密なコードに則って提示する
あたりが思い浮かぶのですが、どうでしょうか?
ちなみに言語哲学者P. グライスが、
適切な意思伝達のための4つの観点を挙げていて、
ごくごく簡単に言うと、次のような基準です。
(1)量・・・必要かつ十分な情報のみを伝える
(2)質・・・真実だと確信のない情報は伝えない
(3)関係性・・・関係のない情報は伝えない
(4)様態・・・わかりやすく伝える
なお、これは「意思伝達の記号系」に関する考え方なので、
イメージなど、「意味作用の記号系」にどこまで適用できるか不明です。
(投稿者、タナカ)
ウィルコム スマートフォンCM 「独立編」
ウィルコム Advanced/W-ZERO3 CM 「独立編」
※講義で見た動画とは、秒数の違うヴァージョンかもしれません。
下記のリンクは、参考として見てください。