今週は殺人的なスケジュールとなっており、とうとうパートナー2人と10分ずつ、昼食のおにぎりをほおばりながら、打ち合わせをこなすという暴挙に及んでしまいました。
さて、
会計士試験合格者の未就職問題で、「景気低迷による監査法人の採用減に伴い、就職できない会計士合格者が増加した」との報道がありますが、監査法人の中の人間として、大きな認識誤りがあると指摘します。
@satoshisatomiさんのブログ
にも同様のご指摘がありますが、私も全くの同意見です。
上記のうち、「監査法人の採用減に伴い、未就職合格者が増加した」は、すべてを監査法人の責任に帰するのはどうかとおもいますが、大きな影響を与えているのは間違いなく、その点においては事実であると思います。
しかし、そもそもの背景の「景気低迷による」はあまりにも安易な理由付けだと考えます。景気低迷は全く影響ないかといえばそうとも言い切れませんが、ここへ来ての採用減は、数年前の大量採用に根源があることは、監査法人内部で現場の状況を見ていて明らかです。
かつて合格者を増やした時、その趣旨は監査法人以外にも企業へ行く会計士を増やすという目的があったはずです。にもかかわらず監査法人が事業会社が追随できないくらいの初任給で根こそぎ合格者を持っていってしまいました。そして数年たち、監査法人内では満足なOJTを受けることができなかった若手が余剰となりました。当初のシナリオなら今頃事業会社である程度の経験を積んで計算できる戦力となり、それは監査側にもプラスになっていたでしょう。監査法人はここ数年の間で、社会的に有望な人的資源を浪費してしまったのです。
このツケが直近の採用減となって具現化しているに過ぎません。
よって、「景気低迷=採用減」はあまりにもそこの浅い論理展開であるといわざるを得ません。
私としても、ここまで書く以上管理職層として責任を感じており、私に出来ることは何か必死に考え実行していくつもりでいます。ただ処遇をカットして耐えるだけが責任の取り方ではないとも考えています。
今後の法人を引き受ける世代として、業務開発、法人内の矛盾の是正、志あるプロフェッショナルが自発的に集う組織風土の構築への礎として日々格闘しているところです。
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