みなさんは、バーに行かれる時に決まった席はありますでしょうか?
うちのお店のような小さな酒場では、お一人でお見えになる方が非常に多く、中でも「超」のつく常連のお客様には指定席とも言える座席が存在します。
超常連のお客様は、全席空いていようが、必ずご自分の指定席にお座りになられるのです。
しかし、電車の長椅子と同じように、カウンターの隅の席はやはり人気がありまして、この席を指定席にしておられるお客様は多くいらっしゃいます。
隅の席を指定席と決めておられるお客様がお見えになった時に、すでにその席が埋まっていて、他の席を使うというのはどうも居心地が悪いようで、いつもより早くお帰りになるように感じます。
それは、カウンターの中から見ている私からしても同じこと。
いつもお決まりの指定席に座られるお客様が別の席に座っておられると、どうもおさまりが悪く、違和感を覚えてしまうものです。
以前、ベテランのスナックのママさんに聞いた話なのですが、お客様の座る位置によって、そのお客様が自分のお店をどうポジショニングしているのかわかるのだそうです。
簡単に言うと、全ての座席が空いている状態で、カウンターの真中あたりに座られるお客様は、他のお客様を連れて来てくださることが多く、言わば、お店の営業マン的存在。
カウンターの隅に座られるお客様は、そのお店を気に入って、自分の居場所として大切にしたいというお客様で、隠れ家的に使っておられることが多いため、他のお客様をお連れになることは少ないそうです。
さらに、出入口に近い方のカウンターの隅に座られるお客様は、一軒の酒場に長居するタイプではなく、方々をハシゴする広く浅く型。
逆に、出入口から一番遠いカウンターの隅に座られるお客様は、一軒の酒場で長居する狭く深く型であることが多いんだそうです。
もちろん、酒場に対する慣れの問題や、お店のレイアウトなど、細かな要因があるので、すべての酒場に当てはまるわけではないのでしょうが、言われてみれば確かに思い当たるフシはあります。
隅の座席は壁にももたれられるからとか、混んできても座席移動しなくて済むからとか、真中の座席だとマスターやスタッフとゆっくり話せるからとか、いろんな理由はあると思いますが、自分なりのそのお店の使い方が、無意識に表れているのかも知れません。
あくまでも一般論ですので、全てのお客様に当てはまるわけではありませんが、みなさんも、よく行くお気に入りのお店に指定席があるようでしたら、一度このパターンに当てはめてみてください。
ご自分にとって、そのお店がどういうポジショニングなのか知ることができるかも知れませんよ(笑)
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