「文化がわかる人」 | SHIGEMAGAZINE

「文化がわかる人」

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「文化がわかる人」

今回の話はある素敵な社長さんから教わったステキな話です。

その教わった話は、

ステキな社長「この間、ある社長の家に行ったんだよね。
その社長がさ、すっごい家を購入しててさ、
その家に招待された時の話なんだけどさ
何十億もする家で、大理石とかですごいんだけどさ、
なんてったってリビングが40畳以上あるわけ、
そりゃ、広かったよ。

まぁ、ここまではいい話さ、
でもさ、それだけ広い部屋なのに、まずテレビが小さいんだよ

あれだけのリビングを作るなら、60インチちかくある
大きなテレビを置かないと部屋に似合わないだよね。

そして、オーディオがショボイんだよ
やっぱあれだけの部屋ならそれなりのオーディオじゃないとさ
なんだかな~って感じなんだよ

極めつけが、ワインなんだけど、お祝いなどで
とんでもないワインがごろごろしてんだよ

一本、何十万するワインばかりだよ、

それをどれでも飲んでいいです、って言われて

まぁ~、これかなってやつを開けて飲むわけだけど
そこで、出てきたのが、たぶん300円くらいのワイングラスなわけだよ
せっかく、高いワインなんだけどガックリなわけよ

それから、40畳以上のリビングを作るんだったら、
ホームパーティかなんかしないともったいないわけだよ。
たぶん、その社長もホームパーティするつもりで
あれだけのリビング作ってると思うんだけどさ、

ホームパーティにたくさん行ったらわかるだけどさ、
ホームパーティてさ、30畳以内ぐらいなら
ホストだけでどうにかなるんだけどさ

30畳超えると、あることをしないとホストだけじゃまわらないんだよ

それは、壁一面をまずは写真集とか本とかで、
とにかく本棚にするんだよ

そうすうと、写真好きは必ず、その本棚に行って、
そこの写真集を見ていいですかって、必ず見始めるんだよ

そして、次は反対側にこだわったオーディオを置くんだよ
そしたら、必ずオーディオに興味がある奴はオーディオに行くんだよ

そうすると、それで人間がそれなりにグループ化され、
ホームパーティがまわりやすくなるんだよ。

そうしないとうまくまわらないんだよね。

まぁ~その社長は若いから、これからなんで別にかまわないけどさ、
それでも、残念なわけだよ

お金はいつかいきなり稼いでしまう時があるかもしれないけど
物の価値や目利き的なもの、
それから友情なんかは長い時間かけないと
身に付かないんだよね。

だからさ~、重松君ちゃんと友達と文化を大切にしておけよ
そして、さっさと今のうちから身につけなさいよ。
お金は稼いだって、身に付かないよ。」

なんて話をいただいたのです。
確かにその通りです。
一度家を建てようとしたことが、
私にもありましたが、内装や家具のことや
インテリアや食器類にかけるお金のことまで
ぜんぜん辿りついていませんでした。

たぶん、建物の分しか予算は考えていませんでした。

この話を聞いた後に、別の社長さんに聞いた話ですが
「家は入れものでしかない。中に家具や人間を入れるためのものだ、
だから、家具や人間が喜ぶ家を作らなくてはいけない。

だから、先に置きたい家具を選び、
そのイメージで家を作るべきなんだ」
この話も感激しました。

なんせ、僕は今まで家具なんてまったく興味がなかったのです。
もちろん、皿も照明も、何もかも興味がありませんでした。

でも、こだわている方の、気持がわかるような自分になりたいです。
別に、高い物が良いなんて思わないけど、
なんでも、一生懸命に作ったものの価値がわかる男にはなりたい。

壁、壁だけでも、ペンキ塗りの壁、壁紙の壁、漆喰の壁
いろいろあるわけで、
それだけで、証明の当たりや反射がぜんぜん違う
そこまでこだわっているお店なのか
テーブルは一枚ものの板なのか、それともべニアの貼り合わせなのか
料理への皿のこだわりはどうなのか、数々あると思うんです。

決して高いのが良いと言ってるわけじゃないのです。

良いものには、それだけの良さがあるのです。
値段は、たぶん手間暇や思いなのです。
その価値がわからなければ、ただ高いになってしまうのです。

そうすると、文化がダメになってしまうと思うのです。

たとえば一生懸命、手書きで有田焼を書いている職人さん達がいます。
今じゃ、100円ショップが多くなり、文化なんて誰も見向きもしなくなり
その職人さん達の思いがあまり届かなくなってきているのです。

そうなったら、文化は衰退して、伝統文化は無くなってしまうのです。

100円ショップでなんでも手に入る時代だからこそ
しっかり顔晴っている人の思いを受け止めることができるような
男になりたいなって思うんです。

写真、音楽、物、芸術、親友って、
ほんと時間のかかるものだから、少しでも早く
時間をかけて作っていかないといけないと思う。

重松昌二郎